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» 2012年05月31日 08時00分 UPDATE

アナリストビュー:ビッグデータ活用とソフトウェア投資は売上増のカギとなるか? (1/3)

日米のIT投資の比較から、国内企業のビジネス活性化に貢献できるIT環境を構築するには何が必要となるのかを探ってみたい。

[生熊清司(ITR),ITmedia]

 実に173年ぶりに首都圏で見られる金環日食と東京スカイツリーの開業に沸いたこの5月だが、日本経済に目を向けると、英米系格付け会社によ る日本国債の格下げ、テレビ事業を主力とする国内電機大手3社が合計で2012年3月期は1兆6千億円を超える赤字の発表、4月の貿易収支が 1979年以降で最大の5202億円の赤字など、引き続き厳しい状況であることを再認識させられるニュースが報じられた。

 国内市場の飽和感や円高デフレへの懸念、グローバルでの競合の激化など依然として経営の先行きは不透明な状況が続いている。このような経営環境において、これまでの延長線上の戦略では成長が見込めないという閉塞感、さらにはこのままでは生き残れないという危機感から、多くの企業では何らかのブレイクスルーを求める機運が高まっている。また、不確実性の時代といわれる今日は、過去の成功体験や先行事例に基づいて立案した戦略や、過去に生み出された競争優位性が何年にもわたって有効に機能する時代ではなくなっている。

 ビジネス環境や競争原理が変化する中、企業は競争力を取り戻し、そして拡大するために、ITを最大限に活用することが求められている。そこで、今回は、日米でのIT投資を比べ、我が国のITが企業においてビジネスの 活性化に貢献するためには、何が必要となるのかを探ってみたい。

国内企業のIT投資の現状

 まず国内企業のIT投資の現状を把握しておく。ITRでは、国内企業におけるIT投資動向の包括的な把握を目的としたアンケート調査を2001年より毎年実施している。最新の調査結果からIT予算の状況を見てみる。図1は、IT予算の増減傾向を指数化したIT投資指数 (20%以上の減少をマイナス20、横ばいを0、20%未満の増加をプラス10などとして積み上げて指数化した値)を過去10年間の推移で表したものである。2011年度の実績値は2010年度に記録した0.04から若干上向き、0.60となった。しかし、2012年度に向けた予想では 0.83と小幅な上昇にとどまっており、成長の停滞が懸念されている国内経済と同様に、IT投資も本格的な低成長時代に突入しつつあることを伺わせる(図1)。

itr1.jpg 図1 IT投資指数の変化(2001〜2012年度予想) 出典:「IT投資動向調査2012」ITR
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