「Lotus」に幕引き、ソーシャルへさらに大きく舵を切るIBMIBM Connect 2013 Orlando Report(1/3 ページ)

Lotusphereから名称を改めた「IBM Connect」カンファレンスがフロリダ州オーランドで開幕した。レニーGMは、「われわれは次の20年に向けて踏み出した。ソーシャルは世界を変える可能性があり、まだ旅の始まりに過ぎない」と話す。

» 2013年01月29日 12時30分 公開
[浅井英二,ITmedia]
暖かな陽気に恵まれているオーランド

 全米有数の避寒地、フロリダ州オーランドもここ数年はそのイメージからほど遠く、肌寒い1月が続いたが、Lotusphereが20回を数える節目にその名称を「IBM Connect」と変えた今年は暖かな陽気に恵まれている。

 米国時間の1月28日朝、「IBM Connect 2013」カンファレンスがフロリダ州オーランドのウォルトディズニーワールドで開幕した。ソーシャルソフトウェアでビジネスを変革したい経営層やLOBを対象にしたカンファレンスとして昨年から併催されたConnectだったが、ソーシャルに本腰を入れて取り組む欧米企業に後押しされ、主役の座に押し出された格好だ。新生Connectカンファレンスは、ソーシャルをマーケティングの強化や人材の活性化に生かしたいLOBの責任者を中心に参加者が1割増え、約7500人の顧客やパートナーらが集まった。

 IBMでソーシャルビジネスを統括するアリステア・レニーGMは、「われわれは次の20年に向けて踏み出した。ソーシャルソフトウェアは人や組織にパワーをもたらし、世界を変える可能性がある。まだ旅の始まりに過ぎない」と話す。

若手ハリウッド俳優のゴードン=レビット氏

 このところオープニングのジェネラルセッションには、サプライズゲストとしてハリウッド俳優が招かれるのが恒例となっていたが、この日もバットマンシリーズ、「ダークナイトライジング」などへの出演で知られる若手俳優、ジョセフ・ゴードン=レビット氏が大きな拍手でステージに迎えられた。

 ゴードン=レビット氏は俳優のかたわら、ソーシャル共同制作サイト「HIT RECORD」を運営するクリエーターとして短編作品を手掛けてきた。今年に入ってからは長編の監督デビュー作も話題を集めている。

 「HIT RECORDでは、だれでも台本、音楽、映像などを投稿でき、それらをリミックスすることもできる。世界中のクリエーターとつながり、新しい作品を生み出すのは素晴らしい体験だ」とゴードン=レビット氏は話す。

 そのひとつ、カブの頭を持つ男を主人公にした短編は、300人近いクリエーターが制作に加わり、利益の配分も皆で議論して小切手の額を決めたという。

 「シェークスピアの“ロミオとジュリエット”でさえ、それまでの作品を参考に書かれたはず。HIT RECORDでは、排他的ではない、リミックスの文化が育まれ、それがアーティストとしてはとてもスリリングだ」(ゴードン=レビット氏)

IBM Notes/DominoやConnectionsを統括するレニーGM

 IBMのレニーGMもソーシャルネットワークは「生きている図書館」だとし、「人や組織を次のレベルに引き上げてくれる」と話す。

 サイクリングの愛好家でもある彼は、サイクルナビゲーションシステムが何百人という仲間との「つながり」を生んだと話す。GPSや3G通信機能を搭載した最新のサイクルナビは、計測された走行データをリアルタイムでアップロードし共有することができる。それまでは互いに知らなかった愛好家とも競い合いながら距離を伸ばしたり、タイムを縮めているという。

 「仲間は皆さんの周りにいるが、気がつかないだけ。ソーシャルネットワークは、組織でその能力が生かされていない人も見つけ出すことができる」とレニー氏。

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