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» 2013年02月26日 08時00分 UPDATE

田中克己の「ニッポンのIT企業」:グローバルSCMをクラウドで開拓するクラステクノロジー (1/2)

日本の製造業の海外展開が加速する中、クラステクノロジーはグローバルでの生産体制に対応するクラウド型の生産管理システムに注力する。

[田中克己(IT産業ウオッチャー),ITmedia]

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 「グローバルSCM(サプライチェーン管理)の関心が高まっている」。製造業向けシステムを手掛けるクラステクノロジーの四倉幹夫社長は、製造業のグローバルな生産体制に応えられるクラウド型生産管理システムの販売に力を入れる理由をこう説明する。

パブリッククラウドに対応した理由

 1996年に設立したクラステクノロジーはまず、オブジェクト指向のソフト部品であるクラスライブラリの開発を開始した。1998年には、蓄積した部品で現在主力の生産管理システム「ECObjects」を作り上げた。統合化部品表、生産管理、納期回答/座席予約スケジューラ、資材所要量計算から構成するECObjectsは、製造業の国内外工場をリアルタイムにつないで、商品の企画から設計、生産までのデータを共有し、効率的な生産体制を実現させるもの。日米で特許も取得している。

 同社はこれまで大手IT企業などと組んで、市場を開拓し、業績を順調に伸ばしてきた。だが、リーマン・ショック、加速する円高、タイの洪水などの影響によって、打撃を受けた日本の製造業がIT投資を抑えた結果、同社の売り上げはこの数年間で半分に落ち込んでしまった。「苦しかった。辛かった」と四倉社長は振り返る。人材採用もせず、カスタマイズ作業も外注委託しなかった。

 そうしたことが、逆に技術力を磨き上げた。「宮大工のような技術者集団に育った」(四倉社長)。パッケージソフトにかかわるサービス提供力も備わり、商品の説明から提案、プロジェクトマネジメント、開発までを1人の技術者が担える、いわば“プレーイング・マネジャー”としての力をつけた。「珍事もあった」(四倉社長)。2012年は創業初めて、納期遅れや開発予算オーバーなどのトラブルが1件も発生しなかったことだ。

 このような中で、四倉社長はECObjectsのパブリッククラウド対応版の開発に取り組んだ。パッケージソフトの販路を拡大させて、かつ寿命を伸ばす1つの施策である。問題の1つが、どのOSS(オープンソース・ソフトウエア)に対応するかだったという。「ラッキーだったのは、ECObjectsはピュアJavaで作っていたので、クラウド化が容易だったこと」(同)。

 ECObjectsは現在、日本IBM、アマゾン、ニフティ、NTTコミュニケーションズなどが提供するパブリッククラウドでの稼働検証を終え、第1号ユーザー(2013年1月時点)の獲得に成功する。クラステクノロジーはクラウドビジネスを強化するため、既存顧客への対応やユーザー会の開催、製造業関連展示会への出展、海外ITベンダーとの協業などを推し進めていく考えだ。

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