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» 2013年03月21日 10時00分 UPDATE

ITRのシニアアナリストが解説:先入観を捨てよ! 中小企業がサーバ仮想化で生み出す効果とは (1/2)

サーバ仮想化といえば、以前は数十台から数百台規模のサーバを抱える中堅、大企業がコスト削減を目的に実施するという認識があった。しかし、現在では中小企業まで裾野は広がっているのだという。

[生熊清司(ITR),ITmedia]

調査結果から見た国内における仮想化の現状

 IT調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)では、これまで継続的に国内IT投資動向を調査してきている。ここ数年を見ると、「仮想化技術の導入」は重要度指数で常に上位にランクされている。さらに、実施率では47.2%とほぼ過半数の企業が既に実施していると答えており、2015年度には7割を超える企業が導入する可能性が予想されている。もはや今日のサーバ/ストレージの更新機会において、同技術を抜きにした提案はほとんど見られない状況で、仮想化はITインフラにおいて一般的なソリューションになりつつある(図1)

図1 主要なIT動向の重要度と実施率(出典:ITR 「IT投資動向調査2013」) 図1 主要なIT動向の重要度と実施率(出典:ITR 「IT投資動向調査2013」)

 特にサーバ仮想化に関して言えば、「Microsoft Windows Server」と「Red Hat Enterprise Linux」という2つの主要サーバOSが、既に仮想化機能を標準でバンドルしていることから、近い将来、仮想化することが標準となるだろう。

 当初、仮想化技術は、数十から数百といった台数のサーバを所有するような中堅企業や大企業が、サーバ台数を削減することでコスト削減を得るためのソリューションとしての認識があり、サーバの保有台数が少ない中小企業では十分なコスト削減が得られないのではないかといわれていた。しかし、仮想化技術の進化によって、得られるメリットが、単にハードウェアの台数を減らしたり、古いシステムを延命したりすることだけでなく、ハードウェアリソースの最適化、運用管理の簡易化、システムの迅速な導入、可用性の向上、災害対策などに広がったことによって、次第に中小企業での利用が拡大している。

図2 中小企業における仮想化技術の導入状況(出典:ITR 「IT投資動向調査2013」) 図2 中小企業における仮想化技術の導入状況(出典:ITR 「IT投資動向調査2013」)

 図2は、前述した国内IT投資動向調査にて、過去5年間の中小企業(従業員規模300人以下)における仮想化技術の実施率を示したものである。2008年度には1割以下であった実施率も2012年度には約3割まで増加しており、3年後の2015年度までには中小企業でも実施率が5割程度まで拡大することが予想される。

 さらに、サーバ仮想化に限定して、中小企業での投資動向の推移を見てよう(図3)

図3 中小企業におけるサーバ仮想化に対する投資の増減(出典:ITR 「IT投資動向調査2013」) 図3 中小企業におけるサーバ仮想化に対する投資の増減(出典:ITR 「IT投資動向調査2013」)

 2009年度には、20%以上の増加、20%未満の増加、横ばいを合計しても、1割程度しかなく、8割以上が計画なしと回答しており、中小企業におけるサーバ仮想化に対する投資は非常に限定的な状況であった。しかし、2010年度以降は、投資を行うと回答した割合が増加しており、2012年度には、20%以上の増加と回答した割合は5.6%、20%未満の増加と回答した割合は10.1%、横ばいと回答した割合は43.9%となり、これらの合計、つまり、何らかの投資を行った割合はおよそ6割に達した。逆に計画なしと回答した割合は4割未満となっている。この結果から、中小企業においてもサーバ仮想化の導入が増加しているということが分かる。

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