来場者の関心集まる標的型攻撃対策とモバイルセキュリティの最前線情報セキュリティEXPOレポート(1/2 ページ)

イベント「Japan IT Week 春」が東京ビッグサイトで開幕。その1つとなる情報セキュリティEXPOでは来場者の関心が標的型サイバー攻撃対策やモバイルセキュリティの最新動向に集まっていた。

» 2013年05月08日 21時35分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 ITの総合展示イベント「2013 Japan IT Week 春」が、5月8日から10日まで東京ビッグサイトを会場に開催されている。同イベントの1つとなる「情報セキュリティEXPO」では企業や組織を狙う標的型サイバー攻撃対策、また、モバイルデバイス活用に伴うセキュリティ対策に関する展示が目立っている。

 会場内でひと際来場者の注目を集めるのがトレンドマイクロだ。同社は、総合的なセキュリティ対策の再構築を提案するコンセプト「カスタムディフェンス」と、パートナー各社と連携したセキュリティサービスの活用を訴求している。

標的型サイバー攻撃対策に関心を寄せるトレンドマイクロブースの来場者

 カスタムディフェンスとは、巧妙かつ多種多様な手口を用いる標的型サイバー攻撃に対して、その迅速な発見と被害の抑止、将来におけるリスクの低減を図るもの。脅威情報を蓄積・分析する「スマートプロテクションネットワーク」や他社ベンダーを含むセキュリティ製品の活用と同社専門家によるサービスを組み合わせて、標的型サイバー攻撃に備えた仕組み作りを支援する。

 また、セキュリティサービスでは同社のサービス基盤にパートナー各社が独自のサービスや製品を組み合わせてユーザー企業に付加価値の高いセキュリティ対策を提供している。パートナーとの連携によって企業顧客の多様なセキュリティニーズに応えつつ、その中核となるセキュリティ技術においては、専門家である同社の知見を活用する体制で、企業顧客をサポートしていくという。

 マカフィーは、エンドポイントとネットワークの両面から最先端のセキュリティ対策製品を多数出展、企業顧客のニーズにきめ細かく対応していける豊富なラインアップが関心を集める。

 エンドポイント分野では仮想化やモバイルなど4つのテーマを掲げる。仮想化においてはこの1年で企業導入が本格化している仮想デスクトップ環境向けの「McAfee Management for Optimized Virtual Environments Anti-Virus」を披露する。同製品は、集中管理サーバで一元的にウイルススキャンを実施することで、個々の仮想デスクトップ環境にアンチウイルス製品をインストールする必要が無いのが特徴。仮想デスクトップではウイルススキャンに伴うリソースの負荷が課題だったが、同製品はこの課題に対処したものだ。集中管理サーバで管理や更新も一元的にできるため、セキュリティ対策の“漏れ”をふさぐ効果も期待できるという。

 ネットワーク分野では7〜9月期の販売を予定するSIEM(セキュリティインシデント・イベント管理)製品「McAfee SIEM」を参考出品した。McAfee SIEMでは企業ネットワークに接続されたあらゆるIT機器からログを一元的に収集、それぞれの相関関係を分析することで、標的型サイバー攻撃のわずかな痕跡をあぶり出すことを支援するものとなる。SIEM製品は競合他社も今年から本格的に展開しており、同社ではセキュリティ専業ならでは豊富な知見や経験を企業顧客に提供できるだろうとしている。

SIEM製品を初披露したマカフィー

 マクニカネットワークスは、標的型サイバー攻撃対策の先進的なソリューションとして来場者の関心を集めていた。同社は1月に、標的型サイバー攻撃の解析ソリューションに特化した米FireEyeと、標的型攻撃の対策サービスを手掛ける米CrowdStrikeを組み合わせたソリューションを発表している

 FireEyeは、専用アプライアンス内の仮想マシン上で標的型サイバー攻撃が疑われる不審なファイルなどを実行してその挙動を詳細に解析し、攻撃の手口を可視化する。そこでの解析結果をもとにCrowdStrikeが、標的型サイバー攻撃を仕掛けている人物や組織が誰なのか、標的が何であるかといった攻撃の背景を調べ上げ、ユーザー企業が防止策を講じられるための情報を提供してくれる。

 CrowdStrikeが保有する攻撃者情報やその追跡調査能力は、政府機関に匹敵する高度なものだという。標的型サイバー攻撃は国境を越えて展開されるケースが多いだけに、本質的には攻撃者の検挙といった対応が望まれるが、国によってはその対応が期待できない場合もある。このため、攻撃者に狙われる側の企業からは国家レベルの防御対応力の提供が望まれているとマクニカネットワークスでは説明している。

マクニカネットワークスは、標的型サイバー攻撃に特化した可視化から対応強化までのトータルソリューションを訴求
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