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» 2013年09月13日 08時30分 UPDATE

驚異の4000%成長! タワーレコードのオンライン事業に何が起きたのか (1/2)

音楽CDなどを販売するタワーレコードが新たな顧客管理システムを構築。キャンペーンマネジメントを強化するなどして、売り上げの急増に結び付けている。

[伏見学,ITmedia]

 オンラインならびに全国83店舗のショップで音楽ソフトや映像ソフトなどを販売するタワーレコード。1979年創業の同社は、音楽ファンのみならずとも一度は利用したことのある人も多いだろう老舗の小売企業である。実際、同社のメンバーシップサービス「タワーレコードメンバーズ」の会員数は300万人を超えるほどだ。

東京・平和島にあるタワーレコード本社 東京・平和島にあるタワーレコード本社

 同社がオンライン事業に乗り出したのは1997年。Eコマースサイト「@TOWER.JP」をオープンした。その後、2001年に音楽情報サイト「bounce.com」を、2002年には総合音楽情報携帯サイト「TOWER MOBILE」を相次いで開設し、2010年には@TOWER.JPとTOWER MOBILEを「TOWER RECORDS ONLINE/タワーレコード・オンライン」に統合するなど、着実にオンラインビジネスの強化を図ってきた。しかし一方で、「Amazon.co.jp」や「HMV ONLINE」といった競合他社のECサイトに対して後塵を拝しているという危機意識もあったという。

 そうした中、タワーレコードではさらなる利益創出に向けてデジタルマーケティングの抜本的な改革に取り組み始めた。その1つが昨年秋に構築した新たな顧客管理システムである。商品の仕入れと売り上げを処理する「商品勘定」に加えて、顧客ごとの売り上げを処理する「顧客勘定」の概念を取り入れたシステムを作り上げることで、顧客をセグメント別、ステータス別にアプローチできるようにした。

 その狙いについて、同社 オンライン事業本部 本部長の前田徹哉氏は、「手当たり次第にキャンペーンメールを打つのではなく、ターゲットとする顧客のセグメントやステータスを絞り込み、よりOne to Oneマーケティングに近づけるべく、商品勘定と顧客勘定の両面で売り上げを管理していく必要があった」と話す。

 「商品情報だけを見ていてもなかなか売り上げは伸びない。アクティブユーザーがどのくらい存在しているのか、顧客単価をどれだけ上げるべきなのかなど、顧客ベースで管理することで新たな一手を模索できるようになる」(前田氏)

1カ月半で採用決定、2カ月で構築完遂

タワーレコード オンライン事業本部 本部長の前田徹哉氏 タワーレコード オンライン事業本部 本部長の前田徹哉氏

 では、具体的にどのような顧客管理システムを構築したのか。商品情報や顧客情報などに分散している既存のデータベース(DB)から対象となるデータを抽出し、中継となる管理システム上の統合DBに集約。そこから新たに導入したキャンペーンマネジメントシステム「IBM Unica Campaign」につなげて、キャンペーンメールなどを配信できるようにした。中継システムは、データベース管理システム「IBM DB2」とx86サーバ「IBM System X3650」を活用している。「顧客の購買行動に基づいた、一貫した施策を展開できるようになった」と前田氏は述べる。

 Unicaを採用した理由について、ZOZOTOWNやHMVなど既に多くの導入実績があり、キャンペーンマネジメントツールとして使い勝手が良かったことに加えて、タワーレコードが目指すビジネスゴールを理解した提案内容だったからだという。前田氏は「われわれは製品を買うことが目的ではなく、それを使ってビジネスを大きくすることが目的である。選定に上ったベンダーの多くが製品ありきの提案だったのに対し、IBMはタワーレコードがUnicaを活用していかにビジネスを創造できるのか、投資対効果がいかに高まるのかという説明が極めて明快だった」と振り返る。そうしたことも相まって、製品検討からわずか1カ月半という短期間での採用決定となった。

 さらに、通常であれば半年間かかるシステム構築も2カ月というスピードで実現した。その要因について、前田氏は「事前にクラスター分析を行っていたほか、こうしたセグメントやステータスに分けたいという明確な目的があった。このように構想策定ができていたため、あとはIT要件定義やデータ要件定義というシステムの設計開発フェーズに限りなく近いところからスタートできた」と力を込める。

 また、プロジェクトを進める上でIT部門と密に連携がとれていたのも大きかったという。「例えば、システム保守・運用の定例会議に出席するなど、日ごろからIT部門とコミュニケーションをとっている。顧客に対して最適なサービスを提供するという共通の意識を持っていることがスピーディーな対応につながったのだ」と前田氏は胸を張る。

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