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» 2013年09月13日 08時00分 UPDATE

萩原栄幸の情報セキュリティ相談室:ノマドワーカーに告げられた契約解除、歩き回って判明した原因 (1/3)

個人事業主で企業のプロモーションなどをサポートしている人物から、「契約解除を告げられたが、理由は分からない」と相談が寄せられた。本人は気づかない日常行動の中にその原因が見つかったものである。

[萩原栄幸,ITmedia]

 知人のA氏は、都内の自宅をオフィスにして、さまざまなクライアント企業のニーズに沿う企画や記事の執筆で生活している。筆者とは1年程前に異業種交流会でお会いした関係である。その彼から先日電話があった。実は、A氏はまず電話は使わない。普段のやり取りはメールかTwitterなので、ちょっとびっくりした。彼はこう話し出した。

 「先月からB社とNDA(機密保持契約)を締結して、新製品における大々的な企画に参加している。ところが先日、B社に呼ばれた。契約の解除と私への損害賠償について弁護士と相談していると一方的に言われた。私は冗談と思ったが、本当のことだった。でも全く身に覚えが無い。自分自身で会社を経営しているが、実質は私個人の仕事だけなので、大企業のB社と争うことは無駄だろう。それにしても納得がいかない。私は本当に何もしていないんだ。何とかならないか」。

 さて、今回はどういう状況だったのだろうか。

(編集部より:本稿で取り上げる内容は実際の事案を参考に、一部をデフォルメしています。)

事案

 A氏は会社を設立しているものの、実態は個人で活動している。多くの経験や人脈を持ち、専門は経営コンサルタントと営業企画支援という触れ込みである。彼は先月から中堅のIT企業B社と契約し、未公開の新製品の販売戦略に関するコンサルティングをしていた。

 実はB社のC社長とは大学時代のサークル仲間であった。当時、C社長はサークルの部長であり、A氏はC氏から可愛がられていたという。それにも関わらずB社側から突然、A氏に契約の解除と損害賠償の請求が告げられる事態が起きた。

 さて、そういう相談なら情報セキュリティを専門にしている筆者より、その方面の弁護士の方が適任だろう。最初はやんわりとお断りした。

 しかしA氏によると、B社の言い分は「A氏が新製品の情報をライバル企業に渡した」とのことらしい。A氏には身に覚えがないが、B社にはその証拠があるという。「だから弁護士というよりは、まずその辺りの事実関係について調査をしてほしい」(A氏)と、筆者に相談したとのことだった。

 あまり気が乗らなかったが、A氏はあまりにもしつこく食い下がる。「一応、私が同席してB社と面談し、その証拠を一緒に確認しましょう。その時点であなたが『これは自分が悪い』と思ったら素直に謝罪し、先方の顧問弁護士の言う通りにしてはいかがですか」と告げた。

 B社は堅実経営で知られ、通常はそういう事すら連絡しないものだ。多分、C社長からの多少の計らいもあったのだろう。B社側の主張に敵意は感じられない。「こちらもきちんと誠実に対応することが、Cさんに出来る最大限のお答えではないですか」とA氏に伝えた。

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