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» 2014年01月24日 08時00分 UPDATE

萩原栄幸の情報セキュリティ相談室:社員のSNS発言リスクに企業はどう備えるべきか (1/2)

社員やアルバイトなどの安易なSNSでの発言から“炎上”が起きると、最悪の場合に倒産などの事態も起こりかねない。今回は「バカッター」のリスクから組織を守る視点で解説したい。

[萩原栄幸,ITmedia]

 社員やアルバイト従業員の安易なSNSでの発言から “炎上”につながる問題について、前回は、主に本人や関係者の視点から解説してきた。今回は、バカッターの被害者となりかねない企業やその関係者視点で解説していく。


 筆者は全国でコンプライアンスや情報セキュリティの啓蒙教育を行っている。その新人教育(内定者セミナーを含む)が最近相当に変わっており、その背景に「バカッター」の問題があるようだ。講演を依頼する企業や組織から具体的な提案をいただくが、従来は「お任せします」という一言で済まされることが多かった。今ではそのほとんどにSNSに関する内容が必ず組み込まれている状況だ。

 これには多少びっくりしたが、企業の担当者としては当然なのだろう。筆者も同じ提案をするに違いない。人事担当者などから「採用時にこういうバカッターをふるいにかけて除外することができますか?」という質問も数多くいただくようになっている。

SPIや適正検査よりも「面接」

 筆者は職員の評価に関するコンサルティングも行っている。そこで最も大事なのは、「評価される人間がどうやって良い印象を与えられるか」ではなく、「評価者が適切な評価をできるか」ということだ。どんなに素晴らしいシステムや体制を構築しても、最も困難なことはいかに平等な評価をできるか――つまり、評価者の教育である。

 余談だが、新人を1人採用するということを軽く考えている経営者が一部にいる。ところが、そういう経営者ほど、文房具の購入に1円でも高いとすぐ担当者を呼び付け、叱責する。全くもって枝葉末節である。人材採用でも「コネ」をズルズルと認め、人事からクレームがついても、「まあ、遠縁の人なので、1人多くて構わないだろう。ひょっとしたら素晴らしい才能を持っているかもしれないよ」とかわしてしまう。

 面接担当者は人を見抜く経験の豊富な方か、できれば専門の面接請負人が望ましいくらいだが、中小企業でこうした力のある人は極めて少なく、相手を見誤ってしまう傾向にある。それでも熟練の面接官に聞くと、10分程度の個別面談で相手のおおよその性格を判断できるといわれる。少なくとも、SNSで問題を起こしかねない性格であるかどうかの判断には絶対の自信があるそうだ。

 面接官にそこまでのスキルや経験が無い場合は、事前にヒアリングシートを作成してスキル不足を補うような方法が必要だ。応募者が会社の将来を委ねるに相応しい「大事な人材(人財)」となるか、風評や倒産のリスクを持ち込む「(無自覚の)テロリスト」になるか、十分に吟味しなくてはいけない。

最終候補者の素性調査

 これは企業が昔よく行っていた「興信所」を利用した調査ではない。新人がFacebookやTwitterなどのSNSでどういった内容を投稿したり、意見を表明したりしているかについて、公開範囲だけでもいいので必ずチェックすることだ。また、Googleで新人の名前も検索してみるといい。もしネガティブな情報が見つかった場合は、それが同姓同名の他人かどうかを調べ、本人と確定した場合にはその情報を参考に内定の可否を判断する。米国では企業が採用予定者にSNSのIDとパスワードを伝えるよう強制し、裁判沙汰になった例もある。

受け入れ体制の構築

 要は、企業として従業員のSNS利用をどこまで許容するか、そのレベルを明記するということだ。モバイルで許可する範囲やBYOD(私物端末の業務利用)の有無も含め、どこまでSNSを受け入れるかを明示できるくらいに準備しておくことが肝要である。中小企業ではまだ十分にこうした事象について認知されていないが、SNSを受け入れるきちんとした体制にしておくことが、悲劇を生ませないことにつながる。問題が発生した場合のマスコミ対応策など、万全の準備をしておく。

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