Microsoft決算、ハードウェアや企業向けクラウドが好調で予想を上回る

Microsoftの1〜3月期の決算は、無償アップグレードやEUの制裁金支払いの影響で売上高はほぼ横ばい、純利益は6.5%減だったが、アナリスト予測は上回った。

» 2014年04月25日 06時22分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Microsoftが4月24日(現地時間)に発表した2014年第3四半期(1〜3月期)決算は、売上高が0.4%減の204億300万ドル、純利益は6.5%減の56億6000万ドル(1株当たり68セント)だった。営業利益は8.4%減の69億7400万ドルだった。

 Windows 7からWindows 8 Proへの期間限定無償アップグレードやOEM向けのOffice早期提供、欧州連合(EU)への制裁金6100万ユーロの支払いなどの影響を除いた非GAAPベースでは、売上高は8%増、純利益は4%増、営業利益は3%増だった。

 売上高、非GAAPベースの純利益ともに、アナリスト予測(売上高が203億9000万ドル、1株当たり純利益が63セント)を上回った。

 Surfaceシリーズの売上高は前年同期比50%増の約5億ドルだった。Xboxシリーズ(Xbox OneとXbox 360)の販売台数は200万台で、Xbox Oneは120万台だった。

 売上高を部門別にみると、デバイス&コンシューマー(D&C)部門の売上高は12%増の83億ドル。WindowsおよびOfficeのライセンスがほぼ横ばいの43億8200万ドル、SurfaceやXboxなどのハードウェア部門が41%増の19億7300万ドル、BingやXbox LIVEなどのオンラインサービスを扱うその他の部門が18%増の19億5000万ドルだった。Office 365 Homeのサブスクリプションが同四半期に100万人増えた。Bingによる検索広告の売上高は38%増加した。

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 企業向けのOfficeやサーバ製品を扱うコマーシャル部門の売上高は7%増の122億2500万ドル。Office 365の売上高が約2倍、Azureは2.5倍と好調だった。

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 今後の見通しについては、電話会見でエイミー・フードCFO(最高財務責任者)が、第4四半期のコンシューマー向けライセンスの売上高を41億〜43億ドル、ハードウェアの売上高を13億〜15億ドル、コマーシャル部門の売上高を131億〜133億ドルと予想した。この予想には明日買収が完了するNokiaのハードウェア部門は含まれていない。

 業績発表後の電話会見には、フードCFO、IR担当ジェネラルマネジャーのクリス・ス氏とともに、ナデラCEOが初めて参加した。

 ナデラ氏は電話会見の冒頭で、CEO就任の最初の週に従業員に対して市場は伝統ではなく改革を重視すると告げたとし、Microsoftは人々に愛される製品をつくりたいと語った。

 Q&AではOfficeのサブスクリプションサービスへの移行についての質問に対し、ナデラ氏は「順調」だとし、フード氏は製品の最新版を常に提供できるようになったことで顧客満足度が上がったと付け加えた。

 9インチ未満のハードウェアのOEMにWindowsを無料で提供することについては、ナデラ氏が、これによりエコシステムを健全にできるとし、ウエアラブルやIoT市場を視野に入れた動きだと語った。

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