ウイルス対策ソフトは「どれも同じ?」「効果なし?」――その疑問に答えよう萩原栄幸の情報セキュリティ相談室(3/3 ページ)

» 2014年05月23日 08時00分 公開
[萩原栄幸,ITmedia]
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これからのウイルス対策ソフト

 今の時代、ウイルス対策ソフト単体であれば、有料でも無料でもさほど変わりない状況となってきた。「総合的・複合的」にトータルに防御――いま流行りの「多層防御」の1つとして、これらのウイルス対策ソフトを検討しなければならない時期にきているだろう。

 これらの複合的ソフトを「運用管理するのはちょっと難しいかも……」と思うかもしれないが、むしろ「選択肢が広がった」と前向きにとらえてほしい。企業や法人、団体や官庁ではさまざまなツールと組み合わせて「多層防御する」といった具合だ。

 そして、先日のInternet Explorerの脆弱性事件にもあった通り、「基本は常に大事である」ということが大切だ。特に、「OSの自動更新」「IEやその他ブラウザとコンポーネント(Javaなど)へのセキュリティパッチ適用」などを常に念頭に置き、安心・安全なインターネット環境を構築してほしい。

 そろそろ自動車免許と同じように、「インターネット免許」を取得すべき時代になってきたと思う。車を動かすだけなら小学生でもできるかもしれないが、交通ルールを守って安心、安全、他人を巻き込ませない運転をするには、ある程度の知識と経験が必要ということだ。

 「ウイルス対策ソフトは死んだ」――筆者は、ダイ氏がこういう考えの基に発言されたのではないかと考えている。

萩原栄幸

日本セキュリティ・マネジメント学会常任理事、「先端技術・情報犯罪とセキュリティ研究会」主査。社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会技術顧問、CFE 公認不正検査士。旧通産省の情報処理技術者試験の最難関である「特種」に最年少(当時)で合格。2008年6月まで三菱東京UFJ銀行に勤務、実験室「テクノ巣」の責任者を務める。

組織内部犯罪やネット犯罪、コンプライアンス、情報セキュリティ、クラウド、スマホ、BYODなどをテーマに講演、執筆、コンサルティングと幅広く活躍中。「個人情報はこうして盗まれる」(KK ベストセラーズ)や「デジタル・フォレンジック辞典」(日科技連出版)など著書多数。


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