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» 2015年03月06日 08時00分 UPDATE

萩原栄幸の情報セキュリティ相談室:新人社員や中途入社の人が知っておくべき情報セキュリティのオキテ (1/2)

年度末への対応と新年度への準備が佳境に入り、職場が変わる人も多いだろう。今回は新しい職場に臨むうえで注意すべき情報セキュリティのポイントと解説する。

[萩原栄幸,ITmedia]

 前回は「去る人」、つまり転勤者や退職者向けに情報セキュリティでの注意点を紹介したが、今回はその逆の「入る人」、新人社員や中途入社、異動で新たに配属される人が心がけておきたいポイントを紹介しよう。

中途入社のオキテ

入社前に脱落することも

 その昔、とても面倒見の良い先輩(同じプロジェクトに配属された別会社のSEだった)がいた。会社が違っても親切に仕事上の問題について筆者に助言してくれる人だった。ある日、その先輩が転職すると聞いてとても残念だったが、喜ばしくもあった。ところが、先輩は1カ月経っても退職の話を公にすることなく、別のプロジェクトへ異動した。先輩にその理由を聞いてがく然としたのだ。

 先輩は転職予定先から内定を受けて、会社や上司、部下に退職と話し、書類もきちんと記載して人事部に提出していたそうだ。しかし突然、転職先の会社の人事部長から電話があり、こう告げられたそうだ。

 「あなたを採用できなくなった。あなたの会社の関係者と思われる人から苦情の電話が弊社にきた。社内で、『そういう電話がくるような人物を採用できない』という結論になり、今回は縁がなかったと思ってほしい」

 今なら訴訟で争うくらいの出来事かもしれないが、当時はそこまで踏み切れる人がほとんどいなかった。しかし現在はもっと巧妙にネガティブ情報を伝える輩もいるので、決して“昔話”ではないのだ。

 その先輩が勤務していたソフトウェア会社は、従業員数十人ほどの小さな会社だった。大手企業やメーカーにSEを派遣して成り立っており、先輩は優秀で周囲の信頼も厚かった。その会社としては、先輩を手放したくはなかったのだろう。また、先輩は1つの大きなミスを犯していた。それは、実際に転職する前の段階で友人や同僚に転職先の社名や給与を自慢げに話してしまったことだ。

 ここからは想像だが、先輩は同僚たちからは妬まれたのだろう。その1人が先輩の転職予定先に妨害工作としてデマを流したと思われる。せめて文書で採用決定の事実を証明できるようにしておき、1日でも早く入社していればよかった。仮に転職後にそういうデマが流れても、新しい会社としてはそうそう軽率な行動はとれないと思う。

 この事実を聞いた筆者は、その後に何度か転職をしているが、転職するまで会社や同僚、友人に新しい職場の話をしない。時には「薄情じゃないか」というクレームもきたが、情報セキュリティの基本である「自分の身は自分で守る」ということを実践したに過ぎないのだ。

前の職場と比較する

 時々新しい職場で、堂々と「以前の会社の方が良かった」などという人がいる。これは絶対にやってはいけない。当然だが、周囲の人は「なぜここに転職してきたんだ。だったら前の会社に戻れよ」と思う。

 どんな職場でも細かいところを比較していけば、「良いところ」「悪いところ」が出てくるはずだ。こういう場合は逆に、「前の会社はこうだったけど、ここではこうなんですね。この方がいいですよね」と、ポジティブな伝え方を心掛けるべきだ。周囲の人も褒められているので悪い感じはしない。円満のうちに新しい職場に溶け込む知恵を身に付けてほしい。

以前の取引先とは?

 「以前の職場で自分は優秀だった」とPRしたがる人に見られるのが、前職の取引先とよく電話や打ち合せをする行為だ。

 それが転職先の収益に直結するなら許されるかもしれないが、常識的にはまずいと思うべきである。そういう行為は極力プライベートな時間か、転職前に済ましておき、新しい職場では前の会社の色を出さないことが望まれる。

 一部の外資系企業やIT企業では全く構わないと考えている職場もあるだろうが、“新人くん”のレッテルがはがれるまでは様子を見て、新しい会社の中で見学しながら新しい仕事の消化に集中する方がいい。

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