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» 2015年03月16日 15時48分 UPDATE

「次回も参加したい」が9割:【俺たちの情シス レポート】交流会で「情シスの本音」が見えてきた

エンタープライズ編集部が3月12日に開催した、“情シスによる情シスのための交流会”「俺たちの情シス」。情シス同士の話が弾んだ本イベントの様子をお伝えします。

[後藤祥子,ITmedia]

 エンタープライズ編集部が3月12日に開催した、“情シスによる情シスのための”イベント「俺たちの情シス」。「よその情シスと交流を深めたい」「悩みや課題を共有したい」という情シスのみなさんが大集合し、盛況のうちに終了しました。

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 第1部の目玉は、ファッションブランド「UNITED ARROWS」の情シス・木下貴博氏と、ITmediaの情シス・イシノの対談。まずは木下氏が手がけた、商品調達系と在庫管理系を統合した新基幹システム「UA2.0」のプロジェクトについてお話しいただきました。

 UA2.0は、基幹システムの刷新とITコストの最適化、IT企画機能の強化を図るために発足したプロジェクト。小売りから出発した同社は、商品開発があとから始まったため、社内システムも“商品作りから始まってそれを販売していく形”になっていなかったといいます。今のビジネスモデルにシステムを対応させ、成長を促進させるツールにしていきたいと考えたことからプロジェクトがスタートしたそうです。

 3年がかりの長期に渡るプロジェクトとなることから、途中でブレることなく進めるために、UA2.0のコンセプトを定義する「憲法」を設定。この憲法は「マルチ型事業を支える共通基盤の刷新」「SPA型事業の成長を加速させる機能強化」「ビジネスの成長に貢献するパートナリング組織の構築」「変化に対応できる柔軟性・スピードの担保」「マスタ・コード体系の高度化」「マネジメント情報基盤の強化」「投資効果の最大化・ITコスト構造の適正化」という7つの要素で構成され、木下氏によれば、「憲法を守り続けることで、目指したところに近い着地ができた」という重要なものでした。

 UA2.0プロジェクトの詳細については、すでに公開されているこちらの取材記事をご覧ください。

Photo ファッションブランド「UNITED ARROWS」の情シス・木下貴博氏(画面=左)とITmediaの情シス・イシノ(画面=右)

 続いてスタートしたITmediaの情シス・イシノと木下氏の対談で、まずイシノが切り出したのはUA2.0のウラ話について。3年という長期間のプロジェクトの中で予定外だったことは何か、という質問に対する木下氏の答えは「開発期間が想定以上にずれこんだこと」というものでした。

 この原因は、プロジェクトの大半を占める“3つのシステムを1つに置き換える”部分で、もとのシステムのソースコードが使えなかったり、オフショア開発で遅れが出たりといったことだったと木下氏は振り返ります。

 次の質問は、UXに関するもの。木下氏によるとUA2.0は、ビジュアルに訴えるインタフェースにこだわったといい、サードパーティのプラグインを使ってそれを実現しています。「コスト削減が大きな目的だった中で、あえてUXにコストをかけた理由は」というイシノの質問に対する木下氏の答えは「現場スタッフの感性を奪わないため」というものでした。

 「UA2.0(商品管理システム)を使うのは、ファッションに関わる商品を企画したり調達したりする部門の人たち。彼らが実務で日々、文字と白地で構成されるシステムに入力を続けていると、思考がそれに引きずられて感性を奪われてしまいます。私たちは何としても、そうした事態を避けたかったのです。性能だけを考えると今のシステムは“やりすぎ”かもしれませんが、会社の大多数を占める“柔らかい仕事”をしているスタッフが使っていて心地よく、受け入れやすい形にすることが重要だったので、そこは“コストありき”という発想ではなかったですね」(木下氏)

 使う側に配慮した決断にイシノも「かっこいい……」と感心しきりでした。

「俺たちは空気じゃない!」――大盛況の懇親会

 第2部は、情シスたちが一杯やりながら情報交換をする懇親会。乾杯の声を合図に、すぐあちこちで話の輪ができました。

 話題作りに一役買ったのが、「俺たちの課題」シール。“今、情シスとしてどんなことで悩んでいるか”を書いたシールを胸に張ってもらったところ、会話の糸口になったようで好評でした。

PhotoPhoto 「俺たちの課題」シールで話のきっかけを作ってもらおうという作戦です

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 来場した方々に参加理由を聞いたところ、ふだん他社の情報システム部門と交流する機会がなく、他社の課題や悩み、解決策を聞いてみたかったという声が多く聞かれました。

 抱えている課題は人手不足、上からの無茶振り、クラウドの管理・選定、スタッフ教育、現場のITリテラシーレベルのばらつきなどさまざま。特に人手不足は課題として挙げる人が多く、「苦労して安定した環境を提供しているのに、その苦労に気づかず人員を削減されて困っている」「上がやれというから泊まりがけでやっているのに、泊まると文句を言われる」と嘆く人も。「空気のように“タダ”とか“あたりまえ”とか思われるのはちょっと、ね……」という声があちこちから挙がっていました。

 現場のITリテラシーレベルについては、シニア社員のことかとおもいきや、若手社員にも課題があるといいます。「主なコミュニケーション手段がSNSやチャットであるため、CCやBCCというメールの機能や使い方を知らない」「PCになじみがない人がいて、ワードやエクセルの使い方を知らない」といったことも情シスを悩ませているようです。

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 また、情シスのパートナーであるSIerに対する要望も多く、「昔に比べて提案の質が落ちた」「裏でつながっているベンダーばかりを使っているので自社に最適な提案になっていない」という厳しい指摘も出ていました。

 本音トークで盛り上がる楽しい時間はあっという間に過ぎていき、最後は全員で記念撮影。「次回も参加したい」という声が9割を占めるなど、好評のうちに幕を閉じました。

 ITmedia エンタープライズは、「情シス」のみなさんのためのメディアです。「俺情」は今後もさまざまなテーマで開催しますので、ふるってご参加ください。また、「こんなテーマなら出てみたい」「この企業の情シスに会いたい」などといったリクエストもお待ちしてます。

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