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» 2015年05月13日 11時00分 UPDATE

職場で役立つデジタル化レシピ:5分で分かる、NASの耐障害性を高める「RAID」の種類とその特徴

複数台のハードディスクを組み合わせることで、万一のディスクの障害の際にもデータを復元できるようにする「RAID」。RAIDの基本的な特徴に加え、各RAIDのメリットとデメリット、および実際にドライブを構成した場合に使用できる容量をまとめた。

[山口真弘,ITmedia]

この連載は

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 保管コストの削減はもとより、劣化の防止や検索性の向上、再利用の促進などさまざまな利点が認められ、徐々に広がりつつある紙の文書や帳票のデジタルデータ化ですが、用途や目的を考慮せずにむやみにスキャンすることでかえって効率が悪くなったり、作業に手戻りを発生させてしまうことも少なくありません。

 また商法や税法で保管が義務付けられている文書の場合、電子帳簿保存法やe-文書法などのルールに則った手順を踏む必要があり、自分の判断でやみくもにデータ化するわけにいかないといった事情もあります。

 本連載ではこうした現在の状況を踏まえつつ、文書のデータ化にまつわる情報、さらにはフォーマットであるPDFや変換機器であるスキャナ、保存先となるストレージに至るまで、業務現場と情報システム部門に役立つ知識やTips、活用術を幅広く紹介していきます(著者より)


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 複数台のハードディスクを組み合わせることで、万一のディスクの障害の際にもデータを復元できるようにする仕組みが「RAID」だ。エンタープライズ向けの製品ではもはや当たり前の技術だが、最近ではSOHOや家庭で使われる数万円程度のNASでも実装されるケースが増え、専任のシステム管理者でなくとも、設定に携わる機会は増加している。

 今回はRAIDの基本的な特徴の説明に加え、それぞれのRAIDのメリットとデメリット、および実際にドライブを構成した場合に使用できる容量についてまとめてみた。なお特徴をわかりやすくするために説明は極力簡略化しているので、すべての特徴を網羅できていない点はご了承いただきたい。

Photo RAIDの種類は、NASのセットアップ時に指定する。初期値は、4ドライブのモデルではRAID 5となっていることが多い

RAID 0(ストライピング)

 RAID 0は複数のドライブを合体させ、ひとつのドライブとして使えるようにした仕組み。すべてのドライブを合計した容量がまるごと使えること、また読み書きが高速に行えるメリットこそあるものの、1台のドライブが故障した時点でほかのドライブに保存されたデータの読み書きができなくなるので、ドライブが増えるほど耐障害性も低くなる。

 RAIDとしては例外的な構造ゆえ、名前にも「0」という数字がつけられ、耐障害性を持ったほかのRAIDとは明確に区別されている。耐障害性よりも容量を重視する際に有力な選択肢といえる。

ここが○

 最大の容量を使える、読み書きが高速

ここが×

 耐障害性が低い

容量

 各ドライブの容量を単純に合計した値になるので、以下のようになる。

  • 2TBのドライブが2台の場合=4TB
  • 2TBのドライブが4台の場合=8TB
  • 2TBのドライブが6台の場合=12TB

RAID 1(ミラーリング)

 RAIDとしてはもっともシンプルなのがこのRAID 1だ。2台のドライブを用意して両者にまったく同じデータを書き込む仕組みで、一方に障害が発生した際はもう一方からデータを復元する。

 2台のドライブがまったく同時に故障する確率は低いことから、耐障害性は非常に高いが、実際に使える容量はドライブの総合計の半分と、ほかのRAIDに比べて容量面では不利になる。容量よりも耐障害性を重視する際に有力な選択肢といえる。

ここが○

 耐障害性が高い、RAID 5やRAID 6と違って2台のドライブでも利用できる

ここが×

 利用できる容量が少ない

容量

 各ドライブの合計値を2で割った値となるため、以下のようになる。

  • 2TBのドライブが2台の場合=2TB
  • 2TBのドライブが4台の場合=4TB
  • 2TBのドライブが6台の場合=6TB

RAID 5

 AとB、2つのドライブがあったとして、ドライブAの値が「0,0,1」、ドライブBの値が「1,1,1」だった場合、同じ位置ごとに値を引き算すると「1,1,0」となり、これをパリティと呼ぶ。パリティが保存されていれば、ABどちらのドライブに障害が発生してもパリティを参照すれば元の値が復元でき、またパリティ自身が失われた場合も復元が容易だ。

 つまり3台のドライブがあれば2台分の容量を使えることから、容量が半減するRAID 1に比べて容量面のメリットが大きい。この仕組みを用いたのがRAID 5である。

 市販の4ドライブNASではこのRAID 5が初期設定となっていることが多く、耐障害性と容量のいいとこ取りをしたい場合の筆頭候補となる。なお、書き込みのたびにパリティを生成するので、書き込む速度はやや遅い。

ここが○

 耐障害性と利用できる容量のバランスがよい

ここが×

 書き込み速度が遅い、2台のドライブでは利用できない

容量

 各ドライブ(3台以上)の容量の合計値から、ドライブ1台分の容量を引いた値となるため、以下のようになる。

  • 2TBのドライブが2台の場合=利用不可
  • 2TBのドライブが4台の場合=6TB
  • 2TBのドライブが6台の場合=10TB

RAID 6

 RAID 5では1台のドライブをパリティとして用いるが、このRAID 6では2台のドライブをパリティとして用いる。構成ドライブのうち2台に障害が発生すればデータが復旧できなくなるRAID 5と異なり、RAID 6では2台までの障害には耐えられる(同時に3台に障害が発生すると復旧できなくなる)。

 RAID 1やRAID 5に比べて耐障害性は高いが、パリティ用に2台のドライブを必要とするため、利用できる容量はRAID 5に比べると少なくなる。RAID 5よりもさらに耐障害性を重視したい場合の選択肢となる。なお書き込みのたびに2ドライブにパリティを生成するので、書き込む速度は遅い。

ここが○

 RAID 1やRAID 5に比べて耐障害性が高い、6台以上ではRAID 1に比べて利用できる容量が多い

ここが×

 利用できる容量が少ない、書き込み速度が遅い、2台のドライブでは利用できない

容量

 各ドライブ(3台以上)の容量の合計値から、2台分のドライブの合計容量を引いた値となるため、以下のようになる。

  • 2TBのドライブが2台の場合=利用不可
  • 2TBのドライブが4台の場合=4TB
  • 2TBのドライブが6台の場合=8TB

その他のRAID

 上記以外にも、複数のRAID方式を組み合わせた仕組みもよく用いられる。例えば「RAID 0+1」というのは、RAID 0の仕組みを使って複数のドライブを束ねたうえで、さらにRAID 1でミラーリングしたもので、「RAID 01」「RAID 0/1」などとも表現される。RAID 0とRAID 1の組み合わせでも逆の順序で、先にRAID 1でミラーリングしたものをRAID 0の仕組みで束ねた場合は「RAID 1+0」「RAID 10」「RAID 1/0」などと表現される。数字が先に来るほうが上位のRAIDとして用いられている。

 ただし複数のRAIDを組み合わせるためにはそれだけ多くのドライブが必要になり、例えばRAID 01では最低4台、RAID 6とRAID 0を組み合わせたRAID 60では最低8台を要する。そのため数万円クラスのNASでは利用できないケースが多く、RAID 6もしくはRAID 10止まりとなっていることがほとんどだ。

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