「厚切りジェイソン」氏に聞く、グローバル展開の難しさ(1/3 ページ)

上場直後に起きた株価の暴騰や「厚切りジェイソン」氏の勤務先として、最近注目を集めているIT企業「テラスカイ」が事業戦略説明会を開催。社長や「厚切りジェイソン」氏などが登壇し、今後の注力分野について語った。

» 2015年06月05日 08時00分 公開
[池田憲弘ITmedia]
photo テラスカイはお笑い芸人として活躍する「厚切りジェイソン」氏が勤めている会社としても有名だ

 2015年4月末に東証マザーズに上場してから、ストップ高を繰り返すなど、最近注目を集めているIT企業「テラスカイ」。お笑い芸人として活躍する「厚切りジェイソン」(ジェイソン・ダニエルソン氏)が勤めていることでも有名だ。

 同社は、SalesforceやAmazon Web Services(AWS)などクラウド環境のシステムインテグレーションを中心に事業を展開しており、Salesforceの画面開発基盤「SkyVisualEditor」、データ連携基盤「SkyOnDemand」といったソリューションも提供している。2014年10月に米salesforce.comと資本業務提携しており、Salesforce認定資格を持つエンジニアが約130人所属していることを強みとしている。

 2006年3月に設立してから10年目を迎えた同社だが、業績も堅調に推移しているという。「10年前はクラウドやSalesforceがこんなに流行るとは誰も予想していなかったと思う。クラウド専業として事業を展開した当初はまったく売れなかったが、やっと時代が追い付いてきた。今は逆に先行者利益が生きていると考えている」と代表取締役社長の佐藤秀哉氏は話す。高騰している株価についても「市場からの期待が高い証拠。その期待に応えていけるように進んでいく」と自信を見せた。

photo テラスカイは2015年4月末に上場して以降、株価が乱高下している。2015年6月4日現在の株価は1万6470円。上場当初から価格を倍以上に上げている(出典:google)

ナンバーワンを目指すための5つの戦略

photo テラスカイ代表取締役社長 佐藤秀哉氏

 投資家からの期待に対し、今後どのように事業を展開していくのか。6月4日、同社は事業戦略説明会を開催した。佐藤氏によると、テラスカイは今後、以下の5分野に注力していくという。

  • ハイブリッドクラウド
  • クラウドMSP(Management Services Provider)
  • クラウドERP
  • IoT
  • グローバル化

 同社はPaaSとしてSalesforceを、IaaSとしてAWSを扱っているが、各クラウドサービスを組み合わせたソリューションの提供に注力していくという。「Salesforceは、大量のデータを扱うのが得意ではないという弱点がある。大量のデータを高速で分析したりする場合は、それをAWSで補うといった使い方ができる」(佐藤氏)

 両者を組み合わせたハイブリッドクラウドを提供するため、テラスカイはAmazonのプレミアコンサルティングパートナーである「Serverworks」と提携した。さらに両社でクラウドMSP専業の新会社「スカイ365」を設立。導入から保守運用までをワンストップで支援する体制を作るのが狙いだ。

 「クラウドを導入したはいいものの、運用や管理フェーズでつまづいてしまう企業は多い。クラウド専門でMSPを扱う企業はまだまだ少ない。今後はサービスの質を上げることで、導入効果を最大化できるサービスとしてアピールしていく」(同社執行役員 藤井徳久氏)

photophoto ハイブリッドクラウドの提供を目的とし、テラスカイはAmazonのプレミアコンサルティングパートナーである「Serverworks」と提携(左)。共同でMSPの専業会社も立ち上げ、導入から保守までを支援できる体制を作り上げた(右)
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