マイクロソフトの新OS「Windows 10」。もう使ったという方も、まだ試していないという人もいると思うが、あらためてそのポイントを“マイクロソフトの人”に解説してもらおう。第3回は企業のセキュリティを担保する、新たな認証方法について。
こんにちは。日本マイクロソフトでWindows 10を担当している武藤健史です。前回、山本がワークスタイル改革を導く、さまざまなWindows 10の新機能についてご紹介しましたが(関連記事)、もちろんこれらの機能だけでワークスタイル改革は実現できるわけではありません。
「いつでも、どこでも、誰とでも」仕事ができる環境を作るためには、以下の要素が必要となります。
こちらの2〜4がWindows 10がカバーできる範囲となりますが、今回から複数回にわたって、3つ目の「ユーザーとデータを守るセキュリティ」に焦点を当てていきます。
ワークスタイル変革によって、ユーザーが自由にPCで業務ができるようになると、「悪意のあるアプリケーションをインストールしてしまう」「機密情報を間違えた宛先に送ってしまう」など、さまざまなセキュリティリスクが生まれてしまうのは事実です。
また、自らリスクのある行動をせずとも、標的型攻撃を受けることでマルウェアに感染してしまうケースも珍しくはありません。たとえユーザーが操作を誤ったとしても、OSレベルで全て保護できれば、安心して業務を行うことができる――そんな考え方に基いて、Windows 10のセキュリティ機能は設計されています。
まずは、昨今何かとセキュリティで話題に上がることが多い“パスワード”についての機能をご紹介しましょう。パスワードというシステムは、セキュリティという観点では非常に脆弱と言わざるを得ません。過去にも攻撃者にパスワードが解読され、企業に多大な影響を与えてしまったケースが数多くありました。
ユーザーからすれば、やはりパスワードは覚えやすいものが良いため、自分の名前、誕生日、電話番号といった個人情報に関連するような文字列に設定するケースが非常に多いのです。私のプロフィールを例に考えてみましょう。
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