このSwitcherへの「対策」はどうすればいいのでしょうか。カスペルスキーのブログでは、「Androidで不正なアプリストアを利用しない」「ルーターの既定のパスワードを変える」「Androidのセキュリティ対策アプリを導入する」という3つを紹介しています。個人的にもう1つ追加したいと思うのは、「公衆無線LANは(なるべく)使わない」ということです。
最近では、公衆無線LANを利用しようとカフェなどで接続を試みても、なかなかつながらなかったり、つながっても遅いことがよくあります。人が多い首都圏だからかもしれませんが、ストレスを感じることが増えたため、最近、私は携帯電話事業者が続々と提供し始めている、定額大容量プランに加入しました。
1カ月に20GB使えるプランにしたので、“早々に1カ月分の容量を使い切って困る”ということも無くなり、思う存分4G回線でテザリングできるようになったのです。
テザリングをするには追加料金が必要ですが、快適さと安全を考えれば、私にとっては安いもの。格安SIMなら、もっとお手軽にテザリングができるでしょう。
もちろん、DNSという仕組みやルーターの設定などを学んでみるのも対策の1つです。「ルーターの設定をいじられるとインターネットの根幹が揺らぐ」ということがピンとくるようになれば、対策も講じられるでしょう。
しかし、インターネットはもはや、ネット上級者だけが使うものではなく、誰もが使う社会のインフラになっています。こうした状況を考えると、そろそろネットワーク機器ベンダー側が、“狙われ始めたルーター機器をどう守るか”をしっかり検討し、利用者に分かりやすく伝えるべき時期に来ているのだと思います。
レビュー記事を見ても、この視点の機能がフィーチャーされることは少なく、製品選びが難しいのが現状です。これからは、“共通の初期パスワードをやめ、個々の機器ごとに異なる初期パスワードを設定する”といった安全のための仕組みを、どれだけ取り入れているかが機器選定のポイントになるように思います。
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。
筆者より:
2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。
これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。
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