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» 2017年02月02日 08時00分 UPDATE

ITソリューション塾:「失敗のリスクばかりを探し、現場のやる気を削ぐ人」にならないために (1/2)

世の中には、「失敗のリスクを挙げ連ねて『すべきことを葬る』輩」が存在します。そんな「イノベーションの壁」にならないために持つべき「5つの視点」を紹介します。

[斎藤昌義(ネットコマース株式会社),ITmedia]

ビジネスを成功させるための5つの問い掛け

 「来期の事業戦略について報告期限が迫っている」「新規事業の計画を説明しなければならない」「アカウントプランのレビューが数日後に控えている」――。そんな時期を迎えている人もいるでしょうし、また、そういった説明を受けて評価し、アドバイスしなければならないマネジメントや経営者もいるでしょう。

 そしてもし、上がってきたプランに対して、「それは、どこかで実績があるの?」「そんな数字じゃ、全然足りない!」「リスクの検討が甘い。もし失敗したらどうするんだ!」――といった、おざなりのコメントしか言えないとしたら、管理者失格です。

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 事業戦略も新規ビジネスも、顧客への提案も、成功させることが目的です。失敗の可能性を探し、当事者の意欲を削ぐことではありません。ましてや、保身のためにこんなコメントをしているとしたら、残念きわまりない話です。

 一緒になって成功の可能性を探り、成功のために解決すべき課題を探ることが、本来の目的であることを肝に銘じておきたいものです。

 では、成功の可能性を高めるためには、どんな観点で議論すべきなのでしょうか。次のような5つの問い掛けをしてみてはどうでしょう。

1.「どんな「困った」を持った人が顧客ですか?」

 「IoTでうちも何かできないのか?」

 この手の問い掛けにはほとほと困ります。IoTであれ、AI(人工知能)であれ、それは何かを解決する手段です。何に困っているのか、その「困った」を解決することがどれほど価値あることなのかが、最初に明らかにすべきことです。

 IoTやAIが有効な手段であれば、活用すればいいわけです。また、IoTやAIの登場で、これまで解決できなかった「困った」が解決できるのであれば、これもまた、ビジネスの可能性が開けます。

 全ては、「困ったがあること」がビジネスの起点といえるでしょう。ただ、それが「誰かが言っていた」や「世間では話題になっている」「偉い先生がそんな話をしていた」ではなく、

  • 「困った」を抱えている具体的な個人の存在を特定できる
  • 自分が「困った」を実感している

 のでなければ、需要はありません。自分の「困った」を実感している人から解決策を求められている場合もあるでしょう。

 「困った」があることと、その解決を求めている「誰か」が具体的に結び付いているかどうかが、ビジネスの起点となります。

2.「どんなソリューションですか?」

 「ソリューション」とは「解決策」であって、特定の商材ではありません。

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 例えば、高齢化する農業の現場では、畑や田んぼの見回りは大変な重労働です。そこで、畑や田んぼにセンサーを配置し、気温や湿度、生育状況などの異常を検知したら直ちに通知するサービスを提供しようと考えたとします。

 確かに、畑や田んぼの見回りの回数は減らせるかもしれませんが、足腰の自由がきかない高齢者が、“その通知を見て何もできない”とすれば、そんなサービスに需要はありません。解決策を提供していないのだから「ソリューション」とはいえません。では、どうすればソリューションになるのでしょうか?

 例えば「異常を検知したら直ちに現地に赴き、必要な措置を行うサービス」であれば、それはソリューションです。人手を派遣するというITシステムではない手段も組み合わせることで、顧客の課題を解決するソリューションになるのです。

 顧客が必要としていることは、課題を解決することであって、手段(またはその一部)を手に入れることではありません。「困った」をなくすことなのです。そのためにすべきことは何かを明らかにし、その全てを満たす組み合わせをつくって提供すること、すなわち「ソリューション」の提供ができてはじめて、ビジネスのチャンスが与えられるのです。

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