世界初のプライバシーフィルター内蔵PCも 日本HPが多彩なセキュリティ機能を備えた法人向けPCを発売(1/2 ページ)

日本HPが、さまざまなセキュリティ機能を搭載したビジネス向けPCを5月中旬から順次発売する。

» 2017年04月21日 12時30分 公開
[田中宏昌ITmedia]

セキュリティ・ソリューションを標準で装備

 日本HPが4月20日、包括的なセキュリティ機能を搭載したビジネス向けPCを発表した。5月中旬から順次発売する(一部製品は発売済み)。今回発表されたのは、ノートPCが3シリーズ、2in1 PCとオールインワン型デスクトップPCが1シリーズずつ、モバイルワークステーションが3シリーズ。

 発売時期と直販「HP Directplus」の価格(税別)は、13.3型のコンバーチブルノートPC「HP EliteBook x360 1030 G2」が6月上旬で17万8000円〜、14型ノートPC「HP EliteBook 840 G4」が6月下旬で15万8000円〜、15.6型ノートPC「HP ProBook 650 G3」が7月下旬で12万4000円〜、23.8型液晶一体型デスクトップPC「HP EliteOne 800 G3 All-in-One」が6月中旬で17万8000円〜、モバイルワークステーションは全て5月中旬になっており、VR Readyの17型ノートPC「HP ZBook 17 G4」が59万8000円〜、15型ノートPC「HP ZBook 15 G4」が22万円〜、15型の薄型ノートPC「HP ZBook Studio G4」が28万8000円〜で、すでに販売中の12型タブレットPC「HP Pro x2 612 G2」は8万9800円〜となっている。

photo 今回発表された法人向けPCと、対応するセキュリティ・ソリューションの一覧

PCでは世界初となるプライバシーフィルター内蔵

photo 日本HPが誇る、最強モバイルPC「HP EliteBook x360 1030 G2 Notebook PC」

 ラインアップを一新した法人向けPCの特徴は、HPならではの多彩なセキュリティ機能を標準搭載していることにある。中でも注目は、全てのセキュリティ機能を網羅し、Windows Hello対応IRカメラや指紋認証、NFCやスマートカードリーダーといった認証要素を備えた13.3型のコンバーチブルノートPC「HP EliteBook x360 1030 G2 Notebook PC」だ。

「HP Sure View」の活用イメージ

 世界で初めて、プライバシーフィルター機能(HP Sure View)をPCに内蔵しており、ファンクションキーとF2キーの同時押しでオン/オフを切り替えられる。盗み見による機密情報の漏えい(ビジュアルハッキング)を防止でき、社外などに持ち出して利用する機会が多いユーザーは重宝するだろう。

photo F2キーとファンクションキーの同時押しでHP Sure View機能がオン/オフできる

 外観は個人向けの「HP Spectre x360」を踏襲するが、日本で展開される3モデルは標準でHP Sure View機能を内蔵しており、正面中央から左右35度ずつの範囲では表示内容を把握できるが、そこから外れると画面が白くなって見えなくなる。同社によれば、同機能の利用でバッテリー駆動時間(カタログ値で最大16時間30分)に影響はほとんど見られず、透過率も90%近くを確保できているという。

「HP Sure View」を試してみたところ。正面から外れると画面が白濁して内容が把握できなくなる

 さらに、EliteBook x360 1030 G2でのみ採用するのが、Webブラウザを米Bromiumの仮想環境「Micro VM」上で動かすことにより、マルウェアやランサムウェア、ウイルス感染からPC本体を守る「HP Sure Click」だ。Internet ExplorerとChromiumベースのWebブラウザでは、タブ単位でマルウェアなどが駆除される。

photo 万が一不正なWebサイトを閲覧した場合でも、マルウェアなどをブロックしてくれる「HP Sure Click」
photo HP Sure Clickの動作イメージ。ウイルスに感染しても、タブを閉じればいいだけだ

離席中もスマホでPCを見守れる「HP WorkWise」

 ユニークなのは、PCの不正操作をスマートフォンで把握できる「HP WorkWise」だ。スマホのBluetoothと専用アプリを通して、PCのバッテリー残量やメモリの利用状況、温度などを確認できるだけでなく、PCから離れた際にPCを触られたり、動かされたりすると、スマホにアラートが表示される。PCのロックや解除も行えるので、セキュリティと利便性の両立に貢献してくれる。同社では、将来的にスマートオフィスのプラットフォームにしていくスマートフォンアプリと位置付ける。

photo スマートフォンで離れたPCの不正操作を検知できる「HP WorkWise」
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「HP WorkWise」の利用イメージ

 その他、各シリーズごとに搭載されるセキュリティ機能は異なるが、全シリーズ共通で採用されているのは、BIOSレベルの保護機能である「HP BIOSphere Gen3」、新たな周辺機器を追加することなくPC本体だけでさまざまな要素認証を実現する「HP Client Security Suite Gen3」、そして前述のHP WorkWiseだ。

photo 「HP BIOSphere Gen3」では、MBR(Master Boot Record)だけでなく新たにGPT(GUID Partition Table)もサポート
photo 今回からNFCカードや仮想カードでの認証に対応した「HP Client Security Suite Gen3」

 また、ランタイム侵入検知機能や、BIOS設定とポリシー保護の「HP Sure Start Gen3」はHP ProBookシリーズを除く全モデルに提供される。リアルタイムでメモリ(SMM)を監視し、BIOSコードへの攻撃を検知できるようになったのがポイントで、AMD製CPU搭載機は独自の仕組みでサポート(インテル製は、第7世代Coreプロセッサーを搭載したHP Eliteシリーズのみ対応)しているとのこと。

photo 「HP Sure Start Gen3」が備えるランタイム侵入検知機能は業界唯一をうたう

 さらに、IT管理者が複数デバイスのイメージ作成、ハードウェアやBIOS、セキュリティなどを集中管理できる「Microsoft System Center Configuration Manager」(SCCM)の認定を世界で唯一取得したというツール「HP Manageability Integration Kit」(HP MIK)もサポートする。

photo 「HP Manageability Integration Kit」(HP MIK)
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