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» 2017年06月06日 07時00分 UPDATE

膨大なシステムアラート、対応すべきはたった3%だった IIJの運用管理を激変させた“効率化のワザ” (1/2)

オンプレミスからクラウドサービスまでハイブリッドシステム環境の運用を担当するIT部門の現場。複雑化する一方の運用管理をラクにする方法はあるのか。

[富樫純一,ITmedia]
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 クラウドサービスは今や、企業にとって当たり前のシステム基盤になりつつある。昨今は、全てのシステムをオンプレミス環境だけで構築している企業を探すほうが難しいかもしれない。

 経営判断のスピードを上げたり、業務部門の生産性を高めたりと、ビジネスのさまざまな現場で効果を上げているクラウドだが、その運用管理の複雑さはIT部門の業務に大きな影を落としている。クラウドサービスやオンプレミス環境があちこちに散在するハイブリッド環境の運用管理はたやすいことではないからだ。

 「運用の効率化も考えてクラウドサービスを導入したはずなのに、運用負荷は高まる一方、という結果を招いているのです」――。とインターネットイニシアティブ(IIJ)サービス基盤本部の福原亮氏は、こう指摘する。

 「ハイブリッド環境でシステムを運用管理している現場では、3つの大きな課題に直面しています。それは『ナレッジ不足』『障害対応の基本フローの未整備』『業務体制と役割のミスマッチ』という課題です」(福原氏)

現場が直面する「運用管理、3つの課題」

Photo IIJサービス基盤本部の福原亮氏

 運用の現場では、知見をためていくことが業務の効率化につながるが、多くの現場ではそれが難しい状況だという。

 「障害が発生したときに、その原因がハードウェアにあるのかソフトウェアにあるのか、どのように対処したのか――といったことを詳細に分類しなければナレッジにはなりません。ならナレッジベースの器を作ればよいかというと、そう簡単な話でもない。その器に“情報をきちんと入力しよう”というルールを決めたとしても、運用担当者はある障害アラートに対応したら、次のアラートが待っているといった状況であり、とてもルールを守って入力することができないのです」(福原氏)

 「ナレッジベースには単に入力するだけでなく、それが正しいかどうかを検証した上で情報としてためていかなければなりません。他の担当者がナレッジを読んだときに理解できなければ意味がないのです。その検証の手間がかかるため、ナレッジの蓄積につながらないのです」(IIJクラウド本部の土岐田尚也氏)

 こうした背景から結果的にナレッジが不足し、いつまでたっても“担当者の職人芸”の域から抜け出せないのだという。

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