MSが満を持して投入するコラボツール「Microsoft Teams」の実力はMicrosoft Focus(1/2 ページ)

日本マイクロソフトが満を持して投入したチャットベースのワークスペース「Microsoft Teams」。働き方を変えるどんな機能があるのか?

» 2017年06月24日 09時00分 公開
[大河原克行ITmedia]

 メールに変わるコミュニケーション手段として注目を集めるチャットベースのコラボレーションツール。ITベンダー各社が相次いで製品を投入する中、日本マイクロソフトが満を持して投入したのが「Microsoft Teams」だ。

 このMicrosoft Teamsの営業活動とマーケティング活動がいよいよ本格化する。

 Microsoft Teamsは、チャットをベースにした「Office 365」の新しいアプリケーションで、WordやExcel、SharePoint、OneDrive for BusinessなどのMicrosoft製品や、サードパーティーが開発したアプリとの連携が可能。Microsoftは、社内外をまたいだチームによる共同作業に最適化したツールと位置付けている。

働き方を変える機能とは

 日本マイクロソフトでは、企業における今後のコラボレーションツールの本命とし、同社の社内でも積極的に活用する姿勢をみせている。

 先ごろ発表した「Surface Laptop」は、「Windows 10 S」を搭載し、教育分野向けPCとして展開しているが、これにもOffice 365とともにMicrosoft Teamsをバンドルしている。教育分野においても、標準的なコラボレーションツールとしてMicrosoft Teamsの活用を広げる考えだ。

 Microsoft Teamsは、2016年11月2日から日本を含む全世界181カ国を対象にプレビュー版の提供を開始し、そのフィードバックをもとに100を超える機能追加や改修を実施。2017年3月15日からは、正式版の提供を開始している。同社によると、既に全世界で5万社以上が利用しているという。

 しかし、日本における利用はまだ限定的である。その背景には、これまで積極的なマーケティング活動が行われていなかったことが挙げられる。日本では、報道関係者を対象にした製品発表会も行っておらず、その内容を深く知っているのは、コラボレーションツールに積極的な企業だけというのが実態だった。

 そうした中、日本マイクロソフトは、2017年6月9日に東京・品川の同社本社で、「チームコラボレーションが導く新しい働き方改革! −噂のMicrosoft Teams:その可能性に迫る−」と題したセミナーを開催。これが日本におけるMicrosoft Teamsのローンチイベントとなった。

Photo 「チームコラボレーションが導く新しい働き方改革! −噂のMicrosoft Teams:その可能性に迫る−」と題したセミナーを開催

 会場には、情報システム部門や経営層、ユーザー部門などから150人が参加したが、同社が募集をかけたところ、定員を大きく上回る500人以上の申し込みがあり、Microsoft Teamsに対する関心が高いことを裏付ける結果となった。

Photo 米MicrosoftのMicrosoft Teams 製品部門シニアダイレクター ダン・スティーブン氏

 同セミナーで講師を務めた米MicrosoftのMicrosoft Teams 製品部門シニアダイレクター、ダン・スティーブン氏によると、同社がMicrosoft Teamsを開発したのは、「ビジネスにおける関心が、個人の生産性からグループの生産性へと変化している」ためだという。

 「近年のオフィスワーカーは、チームとしての作業が増加している。また、チームに参加する人の数も増加している。調査によると、5年前に比べて1人の社員が所属しているチームの数は約2倍に増えている」とし、「その結果、コミュニケーションの数が増え、社内だけでなく社外のメンバーとも情報を共有する機会が増え、場所やタイムゾーンに縛られない情報共有が求められている」という。

 しかし、これまでのOffice 365では、そうした働き方の変化に対応できていない部分があったという。

 「Office 365では、電子メールを使ったコミュニケーションが中心となり、オープンな情報共有ができず、迅速な意思決定に適していないという課題があった。また、インスタントメッセージの履歴が確認できない、対応するアプリケーションが少ないといった問題もあり、グループでの共同作業やコミュニケーションに最適化したものとはいえなかった。こうした課題を解決するために、新たに開発したのがMicrosoft Teamsである」(ダン氏)

Photo “チームコラボレーション”をデザインしたMicrosoft Teamsのサインイン画面
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