2020年東京五輪大会のセキュリティ人材育成へ――情報通信研究機構がサイバー演習「サイバーコロッセオ」実施最終的には約220人のセキュリティ人材を育成予定

情報通信研究機構(NICT)は、実践的サイバー演習「サイバーコロッセオ」を2018年2月から実施する。2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックの大会運営に向けて、セキュリティ担当者の育成を目指す。

» 2017年12月11日 08時00分 公開
[@IT]

 情報通信研究機構(以下、NICT)は2017年12月7日、実践的サイバー演習「サイバーコロッセオ」を2018年2月から総務省と連携して実施すると発表した。サイバー攻撃の高度化や多様化を背景に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京2020大会)の適切な運営体制を確保することが目的。大会関連組織のセキュリティ担当者などを対象に、高度な攻撃に対処できる人材の育成を図る。

 東京2020大会に向けたサイバー攻撃対策が各所で進む中、NICTは、実際の機器やソフトウェアの操作を伴う「実践的なトレーニング」を担当。大規模な演習環境やサイバーセキュリティに関する知見を生かした演習を行う。サイバーコロッセオは、2020年の大会開催までにのべ520人程度の参加を見込み、最終的には約220人のセキュリティ担当者を育成する予定だ。

画像 サイバーコロッセオのトレーニング内容(出典:NICT)

 例えば、北陸StarBED技術センターに設置するサーバ群を活用し、東京2020大会の公式サイトや大会運営システムなどを忠実に再現した仮想ネットワーク環境を構築。複数のチームに分かれた受講者は、仮想ネットワーク環境にリモート接続し、実際に想定されるサイバー攻撃と防御をチーム同士で繰り返す。

 他にも、NICTは、フォレンジックやバイナリ解析の速さを競うコンテスト形式の演習など、受講者の習熟度や担当業務に応じた実践的トレーニングも実施する。実際の機器やソフトウェアを操作することで、着実な能力開発を目指すという。

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