起業家がこぞってNetSuiteを選ぶ理由とはSuiteWorld 2018 Report(1/2 ページ)

ラスベガスでクラウドERPの雄、NetSuiteの「SuiteWorld 2018」カンファレンスが開幕した。オープニングの基調講演には、急成長する新興企業の経営者が登場し、NetSuiteを選んだ理由を明かした。

» 2018年04月25日 10時30分 公開
[浅井英二ITmedia]
SuiteWorldの会場となったベネチアンホテル

 ネバダ砂漠のオアシスから栄えたというカジノのメッカ、ラスベガスは、まるでテーマパークのような巨大なホテルが軒を連ねる見本市の街でもある。

 米国時間の4月24日、ネバダ州ラスベガスのベネチアンホテルでクラウドERPの雄、NetSuiteの「SuiteWorld 2018」カンファレンスが開幕した。同社はこれまで地元サンフランシスコのホテルやサンノゼのコンベンションセンターで年次ユーザーカンファレンスを行ってきたが、昨年から当地に会場を移している。

 世界の顧客企業が4万社を超えたNetSuiteは、ERP/財務会計、顧客管理、そしてe-コマースなど、企業の業務全体を単一の統合されたクラウドスイートでカバーしようという野心的なもの。Oracleの技術者だった創業者のひとり、エバン・ゴールドバーグ開発担当執行副社長がしばしば、「わたしは会計のことは分からない」と話すことからもよく分かるが、単に総勘定元帳をコンピュータシステムに載せ換えるという発想ではなく、顧客レコードにひも付けて全ての情報を一元管理できる柔軟なプラットフォームを目指した。

 このため、NetSuiteはERPでありながら顧客管理(CRM)を別建てのシステムで構築する必要がない。顧客を軸にして、営業、受注、配送、請求書、サポートなど、一連の業務を継ぎ目なく進めることができるほか、ビジネスインテリジェンス機能とダッシュボードを併せて提供し、経営の「見える化」を実現しているのが特徴だ。同社の主要な顧客である新興企業は、ERP/財務会計の機能を使い始め、段階的にCRMやe-コマースの機能を追加し、ビジネスを成長させることができる。それこそがNetSuiteの最大の強みと言っていい。

開発を加速、eコマース機能の刷新や新たなAI機能を追加へ

 ゴールドバーグ氏は1998年の創業以来、ERPに求められる業界ごとに固有の機能を一つひとつ満たし、幅と同時に深さも追求しながら「ネット上でひとつのシステムを」というアイデアを具現化してきた。一昨年、古巣への売却を決めたが、独立した事業部門として開発を継続する約束を取り付け、開発の責任者としてそのアクセルをさらに踏み込む。今年のSuiteWorldカンファレンスでは、e-コマース機能であるSuiteCommerceの刷新や新たなAI機能「Intelligent Suite」の投入など、話題には事欠かない。

NetSuite事業部門のジム・マッギーバー執行副社長

 これまでNetSuiteの社長を務め、買収に伴って執行副社長として引き続き同事業部門を任されたジム・マッギーバー氏も、「Oracleの一員になることで、AIやブロックチェーンといった先端技術へのR&D投資をそのまま活用できる」と期待を寄せる。

 「Ready, Set, Grow」という今年のSuiteWorldのテーマには、顧客企業と共に自らの事業もさらに成長させたいという彼らの想いが込められているのかもしれない。

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