1ツイートが命取りになる時代に「SNSアカウント乗っ取り」を防ぐには?半径300メートルのIT(1/2 ページ)

たった1件の「炎上ツイート」がきっかけで、セレブが何十年分のキャリアを数時間で失う――実はこれ、ひとごとではありません。いったん誰かが自分になりすまして「悪質な投稿」をしてしまったら、身の潔白を証明するのはとても難しいんです。

» 2018年06月05日 07時00分 公開
[宮田健ITmedia]

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 先日、興味深い事件が起きました。米国の人気コメディー女優、ロザンヌ・バー(Roseanne Barr)氏が、1件のツイートがきっかけで、あっという間に輝かしいキャリアの座から「転落」し、冠番組を失ってしまったのです。

ツイートから数時間でキャリアが水の泡に

 問題になったツイートは、オバマ前大統領のアドバイザーだったヴァレリー・ジャレット(Valerie Jarett)氏の容姿を、中東の政治団体である「ムスリム同胞団」や映画「猿の惑星」を引き合いに出してからかったもので、「人種差別」と捉えられかねない内容でした。

 バー氏は、投稿から1位時間後には件のツイートを削除したようです。しかし、時すでに遅し。同氏のツイートはあっという間に広まり、数時間後には、彼女の主演する大人気コメディードラマ「ロザンヌ」を制作していた米国の放送局ABCが、同番組の打ち切りを発表しました。

 ABCの親会社であるウォルト・ディズニーのロバート・アイガー(Robert Iger)CEOは、この発表に素早く反応し、「ABCは賢明な判断をした」とツイートしました。

 すると、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領がすかさず「アイガー、それならいつ俺に謝罪の電話をよこすんだ? ABCは(ロシア疑惑に関して)散々フェイクニュースを流して世間を不快にさせたじゃないか。とんだダブルスタンダードだぜ!」と同氏を名指しで批判するなど、「混戦」を繰り広げています。

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