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» 2018年06月26日 07時00分 公開

半径300メートルのIT:落し物が必ず見つかる? Bluetoothタグの仕掛けに驚いた (1/2)

自分のスマホや財布、定期、カギ……大事なものをなくして探し回った経験はありませんか? IoT(モノのインターネット)の時代を迎えても、私たちの周りにはネットワークにつながっていない「モノ」が無数にあります。ITを使って、そうしたモノをなくさないようにするのは、果たして可能なのでしょうか。

[宮田健,ITmedia]

 突然ですが皆さん、スマートフォンをなくして探し回った経験はありませんか?

 実は、この「スマホをなくす」こと自体をなくすテクノロジーが存在します。スマートフォンの位置情報は、内蔵されたGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を使えば、ほぼリアルタイムで把握できるからです。

 例えばiOSの場合は、「iPhoneを探す」、Androidであれば「端末を探す」といった機能を設定すれば、デバイスの場所を把握できます。よくスマホを落とす方は、こうした機能を使って、PCなどからいつでも自分の端末を探せるようにしておくといいでしょう。

 一方、GPSや通信機能を持たない「定期入れ」や「財布」「鍵」「カバン」といったものなくしてしまった場合、ITの力を使って見つける仕組みはないのでしょうか。実は、あります。というのも、私自身が若干懐疑的に見ていたテクノロジーが、ある工夫で大きく進化したのです。

なくし物を撲滅? 小さなBluetoothタグ「MAMORIO」を買ってみた

 その一例が、紛失防止タグ「MAMORIO」です。今回、私はそのラインアップの中でも、縦3.5センチ、横2センチのごくごく小さなタグ型の商品を手に入れました。この中に電池と通信機器が入っているのですから驚きです。

photo 本体には穴が空いており、キーホルダーに付けることも可能

 ただし、さすがにこの小さなタグを携帯電話の通信網にはつなげません。MAMORIOは、無線通信技術「Bluetooth4.0」を使って持ち主のスマートフォンと定期的に通信することで、自身の場所をクラウドに登録します。万が一MAMORIOがスマートフォンと離れた場合、つまり持ち主がMAMORIOを「置き忘れた」ときは、持ち主のスマートフォンに通知するのが、基本的な動作です。

 MAMORIOの特徴は、これだけではありません。MAMORIOのユーザー専用アプリをインストールしたスマートフォンは、本人や周囲にある他のユーザーのMAMORIOが発信する位置情報をまとめて取得します。そのため、自分のMAMORIOの近くを他のMAMORIOユーザーが通りかかれば、そのユーザーのスマートフォンが取得した位置情報が、そのMAMORIOの持ち主にだけ通知されます。この機能により、それぞれのMAMORIOの位置の情報をより正確にアップデートできます。MAMORIOユーザーが増えれば、それだけ位置情報の精度が上がるというわけです。

photo (左)「MAMORIO」本体の箱。キャッチフレーズは「なくすを、なくす」(右)Bluetoothを通じて、位置情報がスマホに通知される仕組み

 実はこの仕組みを知ったとき、私は「これではほとんど意味がない」と思いました。MAMORIOのユーザーが爆発的に増え、多くの人のスマホにアプリがインストールされない限り、正確な位置を把握するのが難しいからです。

 ところが、私の考えはあっさり覆されました。MAMORIOが、その弱点をカバーする面白い施策を展開していたからです。

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