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» 2018年10月01日 14時00分 公開

デジタルトランスフォーメーションに不可欠な「3つの視点」:ITmedia エンタープライズ、トップページをリニューアル

テクノロジーを前提に、ビジネス価値の在り方が見直されている現在、エンタープライズとそこで働く人々は、何を目指し、何を考え、どうアクションを起こしていくべきなのか。ITmedia エンタープライズ編集部は、その一つの解を提供することをお約束いたします。

[内野宏信,ITmedia エンタープライズ]

地を這うような泥臭い取り組み、それがデジタルトランスフォーメーション

 AI、ブロックチェーン、IoTなど、テクノロジーの力で新たな価値を生み出すデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)のトレンドが各業種で進展し、一部のWeb系企業のみならず、製造、金融、流通といったトラディショナルな各業種でも新たな体験価値が続々と生み出されています。移動という体験を刷新したUber、個人間マーケットの新しい在り方を示したメルカリなどの例が盛んに取り上げられていますが、その一方で、長年の間、既存業務/既存システムの上に立脚してきた従来型企業も、テクノロジーを前提に、自らのビジネスやビジネスプロセスの在り方を見直し始めているのです。

 その背景には、テクノロジーの力で生み出されるサービス価値が、業種・業界の壁を容易に越えてしまう“ディスラプション”があると言えるでしょう。前述のUberのような交通分野に対するIT企業の進出、自動運転分野におけるIT企業の進出などは最も分かりやすい例ではないでしょうか。こうした新たなサービス価値が実際に人々の支持や共感を獲得していることで、社会や人々から「常識」と認識されてきた従来型サービスの在り方そのものが、抜本的に問い直されようとしているのです。

 これを受けて、今、トラディショナルな企業には大きな課題が突き付けられています。長年の間、立脚してきた既存業務/既存システムを守りながら、いかに新たな価値を生み出していくのか。既存資産を持たない分、動きの速いスタートアップや新興企業、テクノロジー活用に長けたIT企業がひしめく中で、いかに自らの市場を確保・拡大していくのか――今、トラディショナルな企業は、社会の新たな価値観に向けたトランスフォームに向けて、岐路に立たされていると言えるでしょう。

 無論、これは決して容易なことではありません。「テクノロジーを前提に既存のビジネスを疑う」「新たな価値を創出する」と言葉で言うのは簡単ですが、これは経営トップのITに対する理解、組織の在り方、IT部門の在り方、さらには従業員のKPI、マインドセットに至るまで、企業組織を構成するおよそ全ての要素が関わる問題であるためです。

 例えば日本企業では、ビジネス部門とIT部門が分断されていることが一般的でした。IT部門のメイン業務はベンダーコントロールであり、自社に必要なシステムの開発・運用を社外に依頼する“丸投げ文化”が長らく続いてきました。しかし今求められているのは、ビジネス部門とIT部門が連動し、新たな価値を主体的に創造するスタンスです。

 IT部門のKPIにしても、ITシステムの安定運用とコスト削減が最優先課題であり、何かあれば厳しくクレームを寄せられる“減点法”の評価制度が一般的でした。しかし今は、システムの安定運用やコスト効率を確実に担保する一方で、新規領域においてトライアンドエラーを迅速に繰り返し、収益・ロイヤルティ向上につながる価値を模索する取り組みが求められています。この実践のためには、取り組みをバックアップする加点法のKPIが不可欠なことは言うまでもありません。すなわち、テクノロジーに対する経営トップの理解から、ビジネス部門、IT部門のマインドセット、スキルセットまで、全てを変革する――まさしく企業全体を新しい形にトランスフォームすることが求められているのです。

「3つの視点」で捉える、DXの舞台裏

 ただ、そうした“変革”は、決してテクノロジーだけで実現できるものではありません。確かに、先進事例は各種メディアを賑わせています。例えば、デジタル推進室のような専門組織を設立する動きも数多く見られます。しかし局所的な取り組みに終始し、全社プロジェクトにまでは発展していない例が多いのが現実です。専門組織を作ってアジャイル開発などに取り組んでいたとしても、プロジェクトの多くがPoCに終わり、MVPすらスムーズにリリースできない矛盾に陥っている例も少なくありません。

 しかし、皆そうしたところから、時には社内の抵抗勢力に前進を阻まれながらも、少しずつ実績を積み上げ、社内外の支持を獲得することで、真の変革に向けて歩を進め続けているのです。一足飛びの変革などありません。情報システム部門/IT部門や、彼らと共に新たな潮流を作り出そうとしているビジネス部門がけん引する、地を這うような泥臭いまでの取り組みがあって初めて、テクノロジーの力も十分に生かすことができたのです。華々しい事例に隠れた“真実”を、われわれは決して見落とすべきではありません。

 ITmedia エンタープライズ編集部は、そうした変革に挑む企業と人々を、あらゆる角度から追い続けてきました。ただこれからは、DXという潮流により即した視点で企業の変革を紹介していくべく、サイト構成を新たな枠組みに変更することといたしました。テクノロジーを差別化の原動力とする上で、組織の問題にフォーカスした「DX×組織」、ビジネスやビジネスプロセスの在り方そのものにフォーカスした「DX×ビジネス」、そしてサイバー攻撃が相次ぐ近年、ますます情報ニーズが高まっている「セキュリティ」――3つのコーナーと「特集」を通じて、より速く、より深く、よりエモーショナルに、“いま大切なこと”を切り取っていこうと考えています。また、弊社のテクノロジー専門媒体、@IT(アットマーク・アイティ)と連動することで、企業変革の在り方を包括的に紹介していく予定です。

 まずは本日リニューアルしたトップページを飾る「プロ経営者 松本晃会長の下、現場では何が起きていたのか――カルビー大変革の舞台裏」や「なぜ、京王電鉄は「AIベンチャー」を立ち上げる必要性があったのか?」などから、変革に取り組む企業と人の息吹を感じ取ってみてはいかがでしょう。きっとあなたの会社、あなたの部署、そしてあなた自身が変わっていくための道標を、ある種のカタルシスと共に垣間見ることができるはずです。ITmedia エンタープライズは、これからも皆さまと共に考え、共に歩む、ITを活用する全ての人々のコミュニティであることをお約束いたします。

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