会議で使ったホワイトボード、クレジットカードの申し込みに使った免許証……サクッとスマホで撮影したまま放置していませんか? 実はそれ、最新のスマホの設定をそのまま使っていると、知らないうちにクラウドに上がっているケースがあるんです。
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最近、利用中のクラウドサービスを整理しようと思った私は、写真ファイルをそのままクラウドストレージに保管するようにしました。外付けHDDに原本を置き、オフサイトバックアップとしてクラウドストレージにファイルそのものを保存、いわゆる「3-2-1の法則」に近いバックアップ体制を取っています。本当はこれにNAS(注)のバックアップを加えれば完璧なのですが、容量不足のため、そこはまだ不完全な状態です。
注:ネットワークにつないだ複数のPCで共有できる外付けHDDのこと
これに伴い、今まであちこちのクラウドサービスに登録していた写真群を、思うところあって全て削除することにしました。その時に気が付いたのは、クラウドバックアップの弊害です。
私はかなり頻繁にクラウドサービスを乗り換える方です。特にクラウドストレージサービスはファイルを移動するだけなので、「Google ドライブ」「Dropbox」「OneDrive」「iCloud Drive」をちょこちょこと乗り換え、それぞれの利点をウォッチしています。
今回も、写真をメインにしたストレージをいくつか使いました。試したのは「Google フォト」「Amazonフォト」「Adobe Creative Cloud(Adobe Lightroom CC)」の3つ。そのうちGoogleとAmazonは、無料のサービスながら、無制限で写真を登録できるというものです。被写体の解析や位置情報を基にしたアルバム作成もでき、無料とは思えないほど充実したサービス内容でした。
しかし、サービス提供者がこのような高機能を無料で提供するのは、彼らが利用料以外の対価を得ていることを示しています。それぞれのプライバシーポリシーや利用規約に沿って、ユーザーの情報が各社で共有されていると認識すべきでしょう。
それを懸念したわけではありませんが、他のクラウドストレージと同じように、写真向けストレージの乗り換えをしてみると分かることがたくさんあります。例えば不思議なことに、GoogleフォトにもAmazonフォトにも、登録した写真を全削除する機能は見つかりませんでした。Amazonフォトの場合は、連携するAmazonドライブから削除は可能ですが、Googleフォトは、手動でいちいち写真を選択し、削除する作業を繰り返す必要がありました。
おそらくAndroid端末を利用している人にとっては、Googleフォトはバックアップ先としても便利に使えるサービスで、もはや端末内に写真を保管する理由もないでしょう。“写真という人生の記録を全削除する”などという場面は想定しないという意味も大きいと思います。
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