今使っているアプリや携帯端末のOS、「面倒くさい」「新しいデザインが不評だし」と、アップデートを放置していませんか? 気持ちは分かりますが、それでもアップデートしてほしい理由があるんです。
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2018年10月31日未明、iPad ProやMacBook Airの新機種と同時に、iOSの最新バージョン「iOS 12.1」がリリースされました。個人的には、次世代型SIMといわれるeSIM(注)機能が利用可能なバージョンとして期待しています。国内の通信キャリアはまだ対応していませんが……。
(注)eSIM(embedded Subscriber Identity Module):従来の入れ替え式のSIMとは異なり、携帯端末に埋め込めるタイプのSIM。
さて、iOS 12.1では、前回の「iOS 12」から32件の脆弱(ぜいじゃく)性が修正されました。
この中でも注目すべきは、「iPhoneやiPadに登録されたメールボックスに、特定のメールを送付することで、メールアプリを不正に終了できる」という脆弱性でしょう。この挙動を発見したのが、ラックの「サイバー救急センター」に所属する永安佑希允氏。本人自ら解説記事を動画込みで公開しています。
iOSやWindows 10、macOSのメジャーバージョンアップは、根幹部分にも大きな変更を加えるため、アップグレードそのもののトラブルだけでなく、新たな脆弱性を生んでしまう場合があります。ただし、上記のメールアプリの脆弱性は、iOS 12.1以前から存在していたので、iOSユーザーには最新のバージョンへのアップグレードを強く推奨します。
企業で使うデバイスやアプリの場合、社内の指示に従って随時アップデートしている方が多いと思います。とはいえ、プライベートだけでPCやアプリなどを使う、いわゆる“一般ユーザー”にとって、メジャーアップグレードはなかなかハードルの高い行為なのかもしれません。
というのも、バージョンアップを適用すると、画面のデザインや機能そのものが変わってしまい、一部のユーザーにとっては以前よりも使いにくくなってしまう場合があるためです。ユーザーとしては、「できれば旧バージョンのままで脆弱性の修復だけはしてほしい」と言いたいところですが、OSベンダーの視点からは「最新バージョンにさえすれば安全なのだから、アップデートを必ずしてほしい」としたいところで、残念ながらお互いの意見がかみ合うことはなさそうです。
セキュリティに片足を突っ込んでいる身としては、そのベンダーの製品やサービスを利用する立場にある以上、ベンダーが推奨する使用方法に従うしかないので、アップデートが提供された場合は速やかに適用すべきだと考えています。ただし問題は、「なぜ、最新版へのアップデートが重要なのか」という点が、まだ一般ユーザーに浸透していないことです。
この傾向が分かりやすく表れたのが、先日TwitterのCEOから出て話題になったある「発言」でしょう。
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