チップビジネスから3Gの進化と普及を後押し。3Gビジネスの裾野を広げる──クアルコムキーマンが語るワイヤレス業界のこれから(2/5 ページ)

» 2005年07月06日 12時55分 公開
[神尾寿,ITmedia]

BREWは「プラットフォーム」である

ITmedia BREWといいますと、日本では「Javaに対抗する携帯アプリ向けの技術」という見方が一般的でした。しかし、BREWの本質はそうではなくて、汎用OSに近いプラットフォーム技術である、と。

山田 そのとおりです。BREWは当初Javaに対抗するアプリ技術という側面がフォーカスされていたわけですが、我々はすでにBREWのプラットフォーム技術の面に軸足を移しています。端末メーカーやソフトウェアベンダーがプラットフォーム化を推進しやすくためのものです(5月25日の記事参照)

ITmedia プラットフォーム技術としてのBREWという位置づけならば、Javaとは対抗しない。ドコモやボーダフォンはJavaベースのソフトウェア資産を多く持っているわけですけれども、BREWの上で動くJava環境により、併存していく可能性もあるということでしょうか。

山田 それは十分に考えられます。Javaを搭載しやすくする土台としてのBREWは以前から考えていたわけですけれども、それが現実に実装されてくるというのが、この1年以内の姿だと考えています。それがどのキャリアから起こるかは申し上げられませんが、BREWの上でJavaが動き、相互補完になっていきます。

ITmedia 今までのお話しを踏まえると、BREWはOSに近いものになっていると受け取れるのですが、Symbian OSやLinuxなどほかの汎用OSとの関係をどのように考えていますか。

山田 ある意味ではSymbian OSやLinuxに相当するものがBREWであると考えていただいたほうが理解しやすい状況になっています。しかし、全く同じような汎用OSというわけでもありません。BREWがSymbianやLinuxと大きく違うところは、モバイルに特化した機能があり、『携帯電話に最適なプラットフォーム』が作りやすいということです。

ITmedia 具体的には?

山田 携帯電話はCPUをはじめ、各種デバイスまでリソースが限られています。例えば、その上で複数のアプリケーションを動かす場合、ユーザーがシチュエーションごとに求める機能を判断し、優先順位をつけていかに処理していくか。このプライオリティ設定が携帯電話OSで重要なことであり、難しい部分です。BREWは優先順位管理においてノウハウを持っていますので、この部分などはほかの汎用OSに対する優位性になると考えています。

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