高級メニュー並ぶ銀座の「くら寿司」 3貫1000円超に潜む勝算(1/3 ページ)

» 2024年05月02日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]

 4月25日、くら寿司が銀座エリア初となる店舗「グローバル旗艦店 銀座」を出店した。日本の文化を発信するグローバル旗艦店としては国内6店舗目であり、通常店舗より和を意識した内装となっている。浮世絵や提灯を付けた屋台など、SNS映えを意識した装飾も目立つ。また、3貫で1200円の「特撰三貫『銀座』」のように、店舗限定メニューは強気の値段設定だ。銀座店の特徴と、その狙いを探っていく。

ついにくら寿司が銀座進出(撮影:編集部)

和風の内装に、現代風のSNS映えとエンタメも

 銀座店は銀座エリアの有楽町駅にほど近い「マロニエゲート銀座2」の7階に位置する。店内の内装は白木をベースとしており、各テーブルには真っ白いのれんが垂れ下がっている。ロードサイドに構える通常の店舗より「和」を意識した内装だ。

マロニエゲート銀座2に出店(撮影:筆者、以下同)
ユニクロやダイソーが営業している施設だ

 内装はこれまでに出店した国内5つのグローバル旗艦店と同じく、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏がプロデュースしている。他の5店舗も白木をベースとした内装で、浅草店では高い天井を生かし、大きな屋根を設置しているのが特徴だった。

 入口付近には歌川広重の浮世絵「東都名所高輪廿六夜待遊興之図」のレプリカを展示。海辺で人々が屋台を楽しむ姿を描いたもので、屋台では当時のファストフードである寿司のほか、天ぷらや団子などを販売している。前述の佐藤氏はこの浮世絵を見て、くら寿司との親和性を感じ、グローバル旗艦店のアイデアを着想したという。

大きな浮世絵のレプリカを展示している

 銀座店には、浮世絵の世界を再現したコーナー「くら小江戸」を設けている。くら小江戸にはそれぞれ寿司・天ぷら・団子を提供する3つの屋台があり、夜空をイメージした壁には電飾の花火もあり、SNS映えやエンターテインメント性を重視している姿勢がうかがえる。

提灯と屋台があり、インバウンドのウケが良さそう
背景には花火も

 3つの屋台では銀座店限定のメニューも提供する。注文は各席にあるタッチパネルから行い、料理が完成するとタッチパネルで通知。自分で屋台に取りに行く仕組みだ。混雑状況次第だが、空いていれば注文から受け取りまで5分程度だという。

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