コベルコ建機と童夢に見る、モバイル活用の2つの鍵第4回(1/2 ページ)

» 2005年09月28日 19時06分 公開
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 広域無線回線を用いたデータ通信は、オフィス外での活動が多い職種にとって重要なコミュニケーションの手段だ。業務のさまざまな場面でITが活用される中で、ネットワークへの接続性は業務効率を向上させる上で重要なテーマといえよう。

 出先からのデータ通信を行う手段は、大きく分けると3種類ある。1つは公衆無線LANサービスを利用すること。しかし無線LANはカバーエリアが狭く、“点”でしか接続場所を確保できない。“広域”からのアクセスを行う手法だけに限れば、PHSと携帯電話の2つに絞られる。

 その中でコストとパフォーマンスのバランスに優れるといわれているのが、ボーダフォンの3Gデータ通信サービスとデータ通信専用料金プラン、それにコンパクトフラッシュ型データ通信カードの「ボーダフォンコネクトカード(VCC)」だ。

 このサービスを象徴しているのが、データバリューパックスーパー。月額1万1130円(税込み)の基本使用料金で、約427.2Mバイトに相当する4万4100円分(税込み)という膨大な無料通信分を含んだパッケージプランである。しかもこの中にはインターネット接続料も含まれている。ビジネスの現場において、ほぼ通信量を気にせずに使えるコストの安さと、3Gネットワークならではの高速性のバランスが魅力だ(8月19日の記事参照)。またより安価なデータバリューパックミドルと、データバリューパックレギュラーも用意されており、利用スタイルに応じてプランが選択できる。

 実際にVCCを利用しているユーザーに話を聞いてみると、やはりコストとパフォーマンスの絶妙なバランスが導入を決定づけた最大の理由だという。いずれの事例でも通信速度に満足した上で、その費用対効果を高く評価しているのが分かる。

事例1 業務のスピードアップを低コストに実現。コベルコ建機の場合

 コベルコといえば言わずと知れた神戸製鋼のこと。神戸製鋼グループのコベルコ建機は、1930年に国産初の建設機械である電気ショベルを製造し、75年にもわたる長い技術開発の歴史を持ち、数多くの製品と技術を創出してきた老舗の建設機械専門メーカーである。

現地生産している油圧ショベルの出荷場風景。コベルコ建機は、海外拠点網の拡充や機能強化などグローバルな展開を加速させている

 コベルコ建機が生み出す建設機械は、日本だけに留まらず世界中で評価されている。中国、米国、イタリア、タイの5カ国に生産拠点を持ち、各国の現地法人10社が稼働中。また点検整備、メンテナンスなどのフィールドサービス業務をもカバーし、さらには中古車販売も重要な業務として取り扱っている。

 ご存知の通り、建機業界は経済状況の変化に左右される厳しい業界だ。顧客に対していかに素早く的確な提案が行えるかなど、スピード経営が強く求められる。そのためコベルコ建機では2000年にモバイルノートPCとセットでPHSデータ通信カードを約500台導入。64Kbpsの広域データ通信を活用し、基幹業務システムへのアクセス、電子メールによるコミュニケーションを行っていた。

 ところが基幹業務システムの進歩や電子メールによるコミュニケーションが活性化してくると、当初は十分と思われたPHSによる通信速度にも大きな不満が感じられるようになったという。業務におけるITシステムの利用が活発になれば、データ通信の量が増加するのは自明だ。64Kbpsの回線交換による通信はすでに限界点に達してしまった。

 スピードが求められるのは中古車販売業務でも同じ。中古車の査定は関東、神戸などの中古車センターなどで集中的に行っているが、査定時には解像度が高い画像を10数枚、送る必要がある。しかし64KbpsのPHS通信ですべての情報を送信していたのでは、送信時間が長すぎて業務の遂行に支障を来す。しかたなく出張先のホテルへと戻ってから写真を送付するケースが多かったという。

 加えて建設機械が導入される現場は、潜在的に地方や山間部など住宅地から離れた場所が多く、おのずとPHSのサービスエリア外であることが多くなる。現場で素早く通信が行えなければ、それはすなわち業務システムがダウンしているのと同じともいえるだろう。

IT・システム部 マネージャーの錦野宰一氏。「ボーダフォンには、グローバルを踏まえた対応を期待しており、その意味でもボーダフォンを選んだのは正解だったと考えている」

 このような問題を解決するため検討しているときに、神戸製鋼グループに対し広くITソリューションを提供しているコベルコシステムとボーダフォンから共同でVCCの提案があり、採用を決めた。VCCを高く評価した理由は、費用対効果とカバーエリアの広さだという。

 絶対的な速度だけでいえば、他社のほうが優れている場合もある。しかし、他社のデータ通信プランは割高で、通信量が増加している中にあっては費用対効果で大きな疑問符が付く。その点、VCCならば無料通信分が多く、大量のデータ通信を行ってもコストを低く抑えることができる。速度の面に関しても十分なパフォーマンスだと評価した。

 2005年5月からは一気にVCCを620台導入し、わずか2カ月で導入を完了。速度は実測でPHSの4〜5倍もの速度に達した。電子化している製品カタログやショップマニュアルに客先からアクセスする際にも全くストレスなく、顧客を待たせることがなくなったという。その上、PHS時代に比べランニングコストは2〜3割も下がった。もちろん、中古車販売業務における画像送信も、現場から直接行える環境にすることができた。

 加えてグローバルにビジネスを展開する同社は、今後さらに強化していく東南アジアにおいてもVCCを積極的に活用していく予定だ。優れた国際ローミングサービスを提供するボーダフォンならではの展開といえるだろう。

中国四川省で稼働するコベルコ建機の油圧ショベル

事例2 開発の速度を大幅アップ。童夢の場合

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提供:ボーダフォン株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年10月16日