表の対応状況は、10月最終週現在のものだ。auのおサイフケータイサービスが始まったのが9月8日。スタート直後はサービス提供が間に合わない事業者が多かったが、発売から2カ月弱でかなりのサービスが開始している。
ここで挙げたサービス事業者は、各キャリアがおサイフケータイを発表したとき、同時に対応を表明した会社だ。これらのサービス事業者のほとんどは、3キャリアすべてに対応を予定している。
しかしこの中にも、3キャリア全てに対応するには時間がかかりそう、とするサービス事業者もある。KESAKAシステムは、ドコモのおサイフケータイ向けにマンションの鍵を携帯で開閉できるサービスを提供中だが、au、ボーダフォンへの対応については「来春以降には対応したいが、はっきりしたスケジュールは決まっていない」と答えている(7月21日の記事参照)。またソニーファイナンスの「eLIO」はドコモに対応しており、auにも対応予定だが、ボーダフォンへの対応は「全く未定」(広報部)だという。
さらに問題なのはここに載っていないサービスだ。例えば、おサイフケータイで鉄道に乗れるサービスを開始した伊予鉄道(8月23日の記事参照)は、ドコモのみの対応となっている。伊予鉄グループでICカード事業を担当するe-カードでは「au、ボーダフォンも将来的には対応すべきと思って検討をしているが、実際にはいつになるか……」と話す。
サービス事業者側にしてみれば、3キャリア対応にするために、NTTドコモ向けJavaアプリ/au向けBREWアプリ/ボーダフォン向けJavaアプリと3種類の携帯アプリを用意しなくてはならない。開発負担が増加するため、例えば“ドコモ向けiアプリは提供するが、auやボーダフォン向けにはアプリを提供しない”というケースは今後出てくるだろう。もともと携帯向けアプリの開発や提供に慣れている事業者なら問題ないが、おサイフケータイの場合、提供するサービスは携帯とは関係ないことも多いだけに3キャリア対応の実現は難しいと判断するサービス事業者も多そうだ。対応状況については電話で問い合わせたのだが、すでにauのおサイフケータイが発売されてかなり日が経っているにも関わらず「au、ボーダフォンは端末が出てきたら考えます」と回答するサービス事業者も数社あった。
先行してサービスを提供しているだけあり、NTTドコモの対応状況は最も良い。現時点でau、ボーダフォンへの対応スケジュールを明らかにしていないサービス事業者の場合、対応しない、あるいは対応が著しく遅れる可能性が高い。
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