データウェアハウス(でーたうぇあはうす)情報マネジメント用語辞典

DWH / data warehouse

» 2003年08月26日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 基幹系業務システム(オペレーショナル・システム)からトランザクション(取引)データなどを抽出・再構成して蓄積し、情報分析と意思決定を行うための大規模データベースのこと。こうしたデータベースを中核とした意思決定支援システムのこと、あるいはこのようなシステムの構築概念のことを指す場合もある。

 意思決定支援に最適化したデータベースで、その特徴は分析に適した形で加工していない生のデータをそのまま(詳細データのまま)格納して長期間保持することにある。

 データウェアハウスを提唱したビル・インモン(William H. Inmon)氏の定義(1990年)によれば、「意思決定のために、目的別ごとに編成され、統合化された時系列で、更新処理をしないデータの集まり」とされる。

 基幹系業務システムは通常、「経理」「販売」「在庫」「購買」というように、機能ごとにシステムが構築されている。これらのシステムでは、データの形式やシリアル番号が異なるということがよくあるが、これがそのままでは分析できないため、「顧客」「製品」などの形で統合するのが“目的別”であり、異なるシステムに分散されているデータを1つのデータベースに集めるのが“統合化”である。

 また、基幹系業務システムは「今月の売上」「現在の在庫」「今期の利益」といったように、いま現在の業務を処理するためのものであるため、過去のデータを保存しなことが一般的だが、これでは「過去の顧客推移」を分析したいという場合に対応できない。これに対し、データウェアハウスは過去データも順に格納するが、これが“時系列”である。またデータウェアハウスは基幹系システムと独立して構築され、そのデータ更新を行わないのが基本となるため、“更新処理をしない”という特徴があることになる。

 データウェアハウスに格納されたデータを分析するツールとしては、OLAP(online analytical processing)データマイニングなどがある。

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