キーワード
» 2004年08月01日 00時00分 UPDATE

情報マネジメント用語辞典:顧客生涯価値(こきゃくしょうがいかち)

LTV / lifetime value / CLV / customer lifetime value

[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 1人(1社)の顧客が取り引きを始めてから終わりまでの期間(顧客ライフサイクル)を通じて、その顧客が企業やブランドにもたらす損益を累計して算出したマーケティングの成果指標のこと。

 計算式は、「年間取引額×収益率×取引継続年数」が基本となるが、固定客・上位客を特定するために「購買頻度」や「1回当たり取引金額」「ブランド指名率」などを考慮に入れたり、顧客ライフサイクルが超長期であることを想定して現在価値に換算するといった操作をすることもある。

 この指標が注目される背景には、顧客を新規に獲得するには既存顧客維持の5倍のコストが必要だとされることがある。利益最大化を考えた場合、既存顧客(特に固定客・リピーター・得意先など)からの売上を重視する方が効率的であり、1人1人(1社1社)の顧客シェアを追求すべきだという考えから、それを計測する指標として考案されたものである。

 既存顧客からの売上や利益を増加させるには、別の商品を売り込む、購買頻度を増やす、顧客コストの削減を通じて利幅を大きくするなどの方法が考えられるが、顧客生涯価値に基づく経営戦略では、一時的な売上増よりも顧客との長期的な関係――すなわち、将来を重視することが多い。

 この意味において顧客生涯価値は、顧客の将来の経済価値を予測するものであり、CRMの推進(顧客とのリレーションシップの維持)や上位顧客化(リピートの促進など)といった、顧客シェア顧客ロイヤリティを獲得するための活動(マーケティングなど)の指標となるものである。

 「顧客維持が重要だ」といっても、顧客維持活動にもコストが掛かるため、安易な安売りやインセンティブ、過剰なキャンペーンは利益額を減じることになリ、LTVの最大化を妨げる場合もあり得る。そこで顧客獲得コストと顧客獲得率・離反率、顧客維持コストと顧客維持率のバランスを注意深く見ながら、マーケティング活動をコントロールすることが求められる。

参考文献

▼『顧客生涯価値のデータベース・マーケティング――戦略策定のための分析と基本原則』 アーサー・M・ヒューズ=著/小西圭介=訳/秋山耕=監訳/ダイヤモンド社/1999年9月(『Strategic Database Marketing: The Masterplan for Starting and Managing a Profitable Customer-Based Marketing Program』の邦訳)

▼『顧客投資マネジメント――顧客価値の可視化によるファイナンスとマーケティングの融合』 スニル・グプタ、ドナルド・R・レーマン=著/スカイライトコンサルティング=訳/英治出版/2005年10月(『Managing Customers as Investments: The Strategic Value of Customers in the Long Run』の邦訳)


Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -