電子公告(でんしこうこく)情報マネジメント用語辞典

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» 2005年11月29日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 株式会社が商法上の公告(法定公告)を行う方法の1つで、公告する内容をインターネット(Webサイト)に掲載することで株主や債権者に通知を行うこと。商法第166条では、「電磁的方法ニシテ法務省令ニ定ムルモノニ依リ不特定多数ノ者ガ其ノ公告スベキ内容タル情報ノ提供ヲ受クルコトヲ得ベキ状態ニ置ク措置ヲ執ルコト」と定義されている。

 従来、株式会社が公告を行う場合、官報(ないし日刊新聞紙)に掲載する方法のみが許されていたが、2005年2月の電子公告法(電子公告制度の導入のための商法等の一部を改正する法律)施行により、電子公告を選択することができるようになった。

 決算公告に関しては、2001年の商法改正で“一定の電磁的方法”が公告代替手段として認められていたが、2005年からは資本減少や準備金減少、合併、会社分割などに関する公告もWebサイトを使うことができるようになった。

 決算公告や株券提出公告などは従来、官報または日刊新聞紙を指定(定款で定める)して掲載することになっていたが、日刊紙全国版に掲載する場合、かなりのコストがかかっていた。これを電子公告に切り替えれば、大幅なコスト減になる。

 また、資本減少や合併、会社分割などの債権者への公告は官報掲載と定められているが、定款で電子公告を指定している場合、電子公告も同時に行うことで債権者への個別催告を省略できる(一部省略不可のものもある)。

 電子公告は事後の書き替えが容易でそのままでは証拠が残らないことから、法務大臣に登録された調査機関の調査を受けなければならない(決算公告は調査不要)。調査依頼を受けた調査機関は公告開始日前に所定の内容を法務省オンライン申請システムで報告し、公告期間中は定期的(6時間に1度以上)に当該公告ページをチェックして、その結果を電子公告を行った会社に通知する。この調査結果通知が公告を行ったことを示す客観的証拠資料となり、登記申請の際の添付書面として利用される。

 なお、電子公告であっても従来の公告方法同様、虚偽・不正な公告をした場合には、民事上・刑事上の責任を問われることがある。

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