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» 2006年03月19日 00時00分 UPDATE

情報システム用語事典:PERT(ぱーと)

Program Evaluation and Review Technique / PERT法 / PERT理論 / 遂行評価レビュー技法 / パート図

[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 工程計画・管理手法の1つで、仕事(プロジェクト)全体を構成する各作業の相互依存関係をネットワーク図にすることで、各作業の日程計画を作成するとともに仕事全体の所要時間を算出し、さらにクリティカルパスを明らかにして所要時間の短縮を図る手法のこと。

 大まかな手順は以下のとおり。

  1. 各工程の作業(タスク)を明確にする(WBS作成)WBS作成)
  2. 各工程が完了するのに必要な所要時間を見積もる
  3. 工程の実行順序・工程同士の前後関係を明確にする
  4. 各工程をつなぎ合わせ、ネットワーク図を作成する(各工程の開始日、終了日が決まる)
  5. 仕事全体の所要時間を算出して、完了時期を明らかにする
  6. クリティカルパスを対象として、所要時間短縮を検討する

 PERTは、米国海軍の艦隊弾道ミサイル計画(ポラリスミサイル・システムの開発計画)の中で開発された。米ソ冷戦下、ミサイルギャップの解消を急ぐ米国海軍は、1957年末に特別プロジェクトオフィス(SPO)にロッキード、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトンからのメンバーなども含めてORチームを結成、同計画に参加する3000人以上の要員の仕事を調整するために、スケジューリング・アルゴリズムの研究に着手した。

 チームの数学者らはグラフ理論を応用し、作業工程を各作業の開始日/終了日(結合点)とそれを矢線で結んだ図で表現した。ここから作業工程ごとの日数データを行列計算してクリティカルパスを導き出し、仕事全体の所要時間を計算するアルゴリズムを見出した。このプロジェクトでは同手法に基づく工程管理の結果、計画は2年近くも短縮されたと評価され、その価値が認められた。

 PERTとほぼ同時期に独立してCPMが開発されたが、ともにネットワーク図を用いてスケジューリングを行うことから、併せて「PERT/CPM」と呼ばれることもある。CPMとの違いは、CPMがコスト最適化の手法であるのに対して、PERTは不確定要素の多いプロジェクトにおいて確率的に時間見積もりを算出し、その時間を短縮を図る手法である点である。オリジナルのPERTは三点見積もりを用いて全体スケジュールの所要時間を確率的に扱う手法で、PMBOK第2版でもPERTは「三点見積もりを行う手法」と定義されている(ただし第3版からはPERTという用語自体が削除された)。しかし、ネットワーク手法としてあまりに有名であるため、単にネットワーク図のことを「PERT図」「パート図」ということも多い。

 1962年には米国防総省とNASA(米国航空宇宙局)がPERTに原価管理の要素を加えた「PERT/Cost」(のちにEVMSへ発展する)を発表、さらに信頼性の要素を追加した「PERT/Reliability」、人材管理に応用した「PERT/Manpower」などが登場した。(もともとのPERTは、これらと区別するために「PERT/time」と呼ばれることもある)

 以後、軍事分野以外にも広く知られるようになり、土木建築の施工管理や製造業の生産計画に適用されるほか、研究開発、ソフトウェア開発、流通、販売、広告・マーケティング活動などのスケジューリングにも利用される。

参考文献

▼『計画の科学――どこでも使えるPERT・CPM』 加藤昭吉=著/講談社・ブルーバックス/1965年4月

▼『PERT・CPM〈改訂〉』 関根智明=著/日科技連出版社・ORライブラリー 11/1973年10月

▼『PERT入門――日程計画の革命的手法』 刀根薫=著/東洋経済新報社/1977年11月

▼『PERTのはなし――効率よい日程の計画と管理』 柳沢滋=著/日科技連出版社/1985年3月

▼『使える計画技法PERT/CPM――プロジェクトを成功させる科学的プランニング』 加藤昭吉=著/PHP研究所/1999年9月

▼『PERTの実際――Program Evaluation and Review Technique』 倉持茂、早川洋文=著/筑波書房/2001年4月

▼『マルチPERT――ここまで進化した資源制約型計画管理』 杉原弘章=著/ITSC静岡学術出版事業部/2008年3月


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