オーガニグラフ(おーがにぐらふ)情報システム用語事典

organigraph

» 2007年01月30日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 企業などの組織における、ヒト・モノ・情報などのつながりや相互関係の概要を表した図。ツリー状に表現される「組織図」に替わって、組織の本当の姿を表すものとして、ヘンリー・ミンツバーグ(Henry Mintzberg)、ルド・ヴァン・デル・ハイデン(Ludo Van der Heyden)らが提唱した。

 「セット」「チェーン」「ハブ」「ウェブ」の基本概念とそれを表す図形を用意し、これらの組み合わせて組織の構造や活動を表す「絵」を作っていく(4つの基本図形以外を使っても構わないとされている)。オーガニグラフは組織の特徴や性格を明確にするもので、戦略立案や組織改革を行う際に新たな視点を提供する。

 また、ミンツバーグ/ヴァン・デル・ハイデンは、オーガニグラフを発表した論文「Organigraphs : Drawing How Companies Really Work」(1999年)で、オーガニグラフの大きな意義として、マネジメントについての理解を新たにできるという点を挙げている。すなわち、マネジメントの在り方は一様ではなく、組織によって異なることがよく分かるというもので、例えばチェーン型組織であれば全体が整然と機能するようなコントロールを志向するマネジメントが必要で、事業部制のようなセット型組織ではトップ・マネジメントの役割は資源配分となる。ハブ型組織のマネジメントは、組織の中心に位置してコーディネートを行うものとなり、ウェブ型組織では至るところで組織を活性化するという活動としてマネジメントが行われる、としている。

参考文献

▼「オーガニグラフ:事業活動の真実を映す新しい組織図」ヘンリー・ミンツバーグ、ルド・ヴァン・デル・ハイデン著/DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー/ダイヤモンド社/2000年1月(「Organigraphs : Drawing How Companies Really Work」 Harvard Business Review, Sep 1999の邦訳)

▼「H.ミンツバーグ経営論」ヘンリー・ミンツバーグ著/DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部編訳/ダイヤモンド社/2007年


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