オフショア開発に携わっていると、さまざまなトラブルに直面するだろう。前回日本人なりの解決方法を紹介したので、今回は中国なりのトラブル解決方法を、現場の最前線の声を基に紹介する。
前回は、オフショア開発におけるトラブルについて、日本人なりのやり方で解決する方法を紹介した。今回は中国人がトラブルをどのような感じ、対応しているかについて紹介する。また、昨年10月に筆者が主催した北京オフショア開発ツアーの様子もお届けする。
前回、日本人の視点から見たトラブルシューティングの実例を紹介しました。今回は、中国人の側から聞いたトラブルシューティングの実例をいくつか紹介します。
まず、日本側に落ち度があって約束を守ってくれない状況を想定します。このケースで中国側から日本側に催促するとき、どのように工夫しているのかを聞いてみました。
例えば、約束した期日までに必要書類を出してこない、テストデータをそろえられない、質問への回答が滞る場面では、中国側は日本に対してどのような態度で接するべきでしょうか。
以下、上海で複数の会社にヒアリングした結果を紹介します。
プロジェクトが佳境に差し掛かったにもかかわらず、日本から五月雨式に新しい作業依頼が舞い込んでくることもあります。ぎりぎりまで仕様変更が発生するのが、対日オフショア開発の流儀ともいえます。こんなとき、受託側としてはどのような態度で日本に接するべきでしょうか。
「コスト、納期、品質」の優先度を質問します(中国人PM)。
ある中国人プロジェクトマネージャは、「日本企業は一般に納期優先が多いはずですが、担当者がきちんと状況を説明してくれないのでとても不満です」と愚痴をこぼします。そのほか、「日本から勝手な言い分ばかり出てきて、困る」という意見もありました。さらに、「インド企業が相手なら、日本人は英語でコミュニケーションするのに、中国が相手だと日本語で押し通す態度が気に入らない」という愚痴まで出てきました。
さらに、立て続けに質問をしてみました。
「あなたは、日本側が約束を忘れたとき、どのように対処しますか?」
「あなたは、日本側から無理難題を持ち掛けられたとき、どのように対処しますか?」
「あなたは、日本側の間違いを発見しました。どのように指摘しますか?」
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