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» 2008年02月26日 00時00分 UPDATE

SAPとBOの両社長が今後の日本戦略を説明:BOは今後もSAP色に染めない〜SAP八剱社長

[大津心,@IT]

 SAPジャパンと日本ビジネスオブジェクツ(以下、BO)は2月26日、報道関係者向けの説明会を開催し、両社の日本における今後の取り組みについて発表した。SAPジャパン 代表取締役社長兼CEO 八剱洋一郎氏は、今後の両社の関係について「今後も両社は独立した企業として存在していく。BOの良さはSAP以外の製品にも対応していることだ。SAPが買収したからといってその特徴が薄らぐことはない。今後もBOは独立した会社としてその良い部分を伸ばしていく」とコメントした。

オーガニックグロースがSAPの基本だが、BO買収は例外

 2008年1月付けでSAPジャパンの代表取締役社長兼CEOに就任した八剱氏は、まずSAPジャパンの好調な業績をアピール。2007年の売上高が前年比14%増の711.7億円で、中でもソフトウェアライセンス売上が同21%増の539.3億円とけん引したという。この点について八剱氏は、「ライセンスが伸びればその前段階であるコンサルティングや、その後段階のメンテナンス、教育分野も後追いで伸びてくる。全社的にライセンス売上に力を入れているが、世界平均が17%の伸びなので、日本はそれを上回る好調さを実現できた」と評価した。

八剱氏と印藤氏写真 左)SAPジャパン 代表取締役社長兼CEO 八剱洋一郎氏、右)日本ビジネスオブジェクツ 代表取締役社長 印藤公洋氏

 また、新規ビジネスも好調だという。同社が近年推進しているエンタープライズSOAの浸透によりNetWeaver関連製品が好調で、前年比で売上高が2.3倍に増加。GRC(ガバナンス、リスク、コンプライアンス)/CPM(Corporate Performance Management)も内部統制強化の流れを受け同3.8倍に増加したほか、SAP認定コンサルタントも前年比1882人増の1万1123人になった。この点について、八剱氏は「BOとの連携はまさにこの新規ビジネス部分なので、今後はシナジー効果でさらなる増加が見込める。日本版SOX法の適用も始まるので、GRCにはかなり期待している」とコメントした。

 SAPの戦略については、数年前から同社が唱えている「オーガニックグロース(有機的成長)」を今後も継続すると強調。一方で、オーガニックグロースの考えに反するBOの買収については、個人的な見解であると前置きした上で「BO買収は例外だった。ビジネスインテリジェンスの分野については、オーガニックグロースだけではカバーし切れなかったため、補完関係として最適なBOを買収した。なぜBOだったのか。という問いに関しては、当社が従来より最も友好的な関係を築いていた点が大きい」(八剱氏)と説明した。

 今後のSAPのロードマップにおけるBOのポジションについては、「SAPが2010年までに新しいソリューション領域を全売上の50%以上にする」という目標の中の1つである、「Business User Solutions」をBOが担う。具体的には、GRCの分野で特にシェア拡大を狙っており、「現在でも、SAPとBOを組み合わせるとかなり強い位置にいるが、シナジー効果を出してGRC分野のシェアで圧倒的1位になりたい。いままでの当社の製品は過去の売上実績を分析するのは得意だったが未来は不得意だった。BOを買収したことで未来の予測ができるようになった。車に例えると、いままでは車のバックミラーの役割でいままで走ってきた経路を確認するのは得意だったが、さらにフロントガラスを手に入れてこれから進む先もよく見えるようになった状態だ。間違いなく楽に走れるようになるだろう」(八剱氏)とコメントした。

BOは今後もSAPの色が付かずに独立してやっていく

 次にBOの代表取締役社長 印藤公洋氏が、ビジネスオブジェクツの立場からSAPとのビジネス展開を語った。印藤氏はまず、BIの注目度が非常に高い点をアピール。「ガートナーのCIOへのアンケートによると、2006年と2007年の2年続けてBIは最も注目されるソリューションになっている。今後もBIの需要は高まっていくだろう」とコメント。また、「BIを構築する上では通常データウェアハウス(DWH)を構築し、そこから必要なデータを抽出してデータの解析などを行うが、抽出や解析に強いBOの製品と独自のマスターデータ管理技術を持つSAPを組み合わせることでよりデータ品質を上げ、高機能なデータ解析を提供することができる」と、両社製品のシナジー効果を説明した。

 また、同社の強みであるさまざまなビジネスアプリケーションや構造化データからデータを抽出できる点は今後さらに強化していくほか、Office系製品やアドビ製品などの“非構造化データ”を取り入れていくことが今後重要になっていくとした。

 そして、今後の両社の関係については八剱氏が「BOはSAPに統合しないで、今後も独立してやっていく。なぜなら、BOの長所はSAP製品以外とも相性が良い点だからだ。SAP色が強くなることで、この利点を失ってほしくない。ただし、両社の営業によるクロスセルなど、やるべきことはやっていく」と強調。印藤氏も「当社の顧客の40%がSAPユーザーであり、残り60%はSAPをまったく利用していないユーザーだ。今後、SAP製品との連携強化などを共同で行っていくが、60%のそのほかのユーザーも100%現状を維持してサポートしていく」とコメントし、現状を維持することをあらためて強調した。

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