SFA国内シェア1位のノウハウを生かした非製造業向け業務支援ソフト9月からはSaaS形式で提供予定も

» 2008年04月10日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 ソフトブレーンは4月10日、人事や購買部門など間接部門の業務を最適化する業務効率化ソリューション「ビジネスクロス」の販売を開始した。購買や人事プロセスなどの業務を効率化できるほか、英語・中国語などの多言語に対応している点が特徴だ。価格は1ユーザー当たり6万円から。

 ソフトブレーンは、業務改革支援ソリューションやBPO事業などを手掛けるソフトウェアベンダ。同社が開発した「eセールスマネージャー」は、国内SFA市場でシェア1位を誇る。ソフトブレーン 代表取締役社長 秋山真咲氏は、「eセールスマネージャーを導入し定着した企業を分析したところ、スケジュールや活動報告といった全体の20%の機能に、業務時間の80%を費やしていることが分かった。つまり、必要な機能をいかに絞って分かりやすく提供するかが定着させるためには重要だ。当社はeセールスマネージャーのノウハウをビジネスクロスにも生かしていく」と説明した。

 実際、SFAをうまく活用している企業は「登録データを検索・活用している」「営業報告が登録されている」「案件リストを活用している」という3つの共通点があるという。同社がこれらを分析した結果、「必要な報告内容を設計して負荷なく報告できる」「検索が柔軟」「名刺を簡単に登録できる」の3点が、ニーズとして大きいことが分かったという。

秋山氏写真 ソフトブレーン 代表取締役社長 秋山真咲氏

 こういった開発背景を受けて、ビジネスクロスではさまざまな機能を搭載した。例えば、営業報告ではグローバル展開する企業が増えていることから、例えば米国や中国に支店を構え、そこから営業報告を受ける場合、中国語や英語で上げられた日報を日本人上司が承認する形になる。このような、「中国語や英語で書かれた日報を上司が承認する」際には、自動的に日本語に翻訳して閲覧できる機能を搭載。これにより、コミュニケーションギャップを緩和できるとした。

 また、購買や人事、コールセンターなどの間接部門向けに業務プロセスを可視化できる機能を提供。例えば、人事が新卒採用する場合、申し込んでいる学生のステータスがどこまで進んでいるのかを可視化して表示する機能などを提供する。購買の場合であれば、業務部門が購買依頼を出した後に、購買部門が仕様を確認し、発注・納入するまでのステータスが分かるようになる。

 秋山氏によると、「ビジネスクロスを導入するには、現場の行動も少なからず変わらなければならないケースもある。そのような業務改革を成功させるためにはフォローが重要だ。そのため、業務プロセスの設計や運用コンサルティングや教育などのアフターフォローも積極的に行っていく」とコメントし、コンサルティングや教育などのサービス面も強化していくとした。

 今後は、ユーザーニーズの高い「名刺の自動読み込み」や「帳票」「API拡張」といった機能を随時追加していく。また、2008年9月以降にはSaaS形式での提供も予定している。2008年度に3億円、2009年に10億円、2010年には18億円の売り上げを目指す。

 秋山氏は、「ビジネスクロスは、シェア1位のeセールスマネージャーのノウハウを生かしつつ、営業以外の非製造部門向けに開発した製品だ。まずは、クライアント/サーバ型で提供を開始するが、9月以降にはSaaS形式で提供し、中小・中堅企業がより導入しやすい形にしていくつもりだ」とコメントした。

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