サーバ1台のCO2排出量−55本の植林=0ヴイエムウェアが今後グリーンITもプッシュ

» 2008年05月14日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 ヴイエムウェアは5月14日、報道関係者向けの説明会を開催。同社のグリーンITへの取り組みについて、ヴイエムウェア日本法人の代表取締役社長 三木泰雄氏が説明した。

 三木氏はまず、データセンターの消費電力が増え続けていると強調した。例えば、サーバ1台当たりの消費電力は、2001年と比べて2006年には4倍に増え、ラック当たりのサーバ搭載数も2001年の7台から、2006年には14台、2010年には20台に達することから、「サーバ1台当たりの消費電力も増え、1ラック当たりの搭載数も増えれば、当然ラック当たりの消費電力も増加する。さらに、昨今では原油高からくる電気料金の上昇も避けられない状況だ。コスト面からもサーバ削減は重要な課題だ」(三木氏)と話した。

三木氏写真 ヴイエムウェア 代表取締役社長 三木泰雄氏

 同社の調査によると、データセンター内の電力消費は、サーバ/ストレージが50%、空調設備が34%、変換機器が7%、ネットワークが7%、照明が2%だという。また、米国でヴイエムウェアが同社ユーザーに行ったアンケートでは、「電力管理に関心がある」と答えたユーザーが10%に達したとした。三木氏は、「電力消費の関心は、われわれのユーザーの中でも高まっている。アジアパシフィックでは4%だが、今後高まっていくだろう」と説明した。

 ヴイエムウェアによると、データセンターのサーバを1台取り除くと、1台当たりCO2の排出量を12.5トン削減できるという。そして、この12.5トンのCO2をカーボンニュートラル(CO2排出量と相殺)するためには55本の植林が必要となるとした。また、このCO2排出量は1.5台分のCO2排出量(1ガロン当たり20マイルで1万2000マイル走行する)のに相当すると試算。「1000台のサーバを80台に削減すると、運用コストもCO2コストも大幅に削減できる。EU地域ではすでにCO2の排出権取引が始まっており、5月初旬における排出権はCO2が1トン当たり24ユーロ程度だった。日本でも排出権取引が始まれば、グリーンITがコスト削減にも相当貢献するはずだ」(三木氏)とコメントした。

ヴイエムウェアが示す、サーバ1台当たりのCO2削減効果

 三木氏は「今後ヴイエムウェアは仮想化技術によるTCO削減だけでなく、グリーンITへの貢献も強くアピールしていく」と方針を示し、「初めから1000台を80台に仮想化で統合するのは難しい。まずは4台を1台に統合するくらいから始めて、将来的には10台を1台などに統合すれば、コストだけでなくCO2排出量削減にも大いに貢献できるはずだ」と、仮想化技術がグリーンITにも有効であるとアピールした。

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