オラクルのPLMアプリ最新版、ERP連携も可能に「Agile PLM 9.2.2.4」を発表

» 2008年06月19日 00時00分 公開
[吉村哲樹,@IT]

 日本オラクルは6月19日、同社のPLM(製品ライフサイクル管理)アプリケーションの最新版「Agile PLM 9.2.2.4」の提供を同日より開始すると発表した。

 Agile PLMは、同社が2007年5月に買収した旧アジャイルソフトウェア社のPLM製品をアプリケーションスイートの1製品としてラインアップしたもの。部品表管理、品質管理、プロジェクト管理など、企業の製品開発業務を支援する一連の機能を備える。

写真 日本オラクル 製品戦略統括本部 アプリケーションビジネス推進部 ディレクター 塚越秀吉氏

 オラクルのPLMソリューション戦略について、同社 製品戦略統括本部の塚越秀吉氏は、「これまで製造業のユーザーに対しては、社内業務用のERPアプリケーションを提供してきた。アジャイルソフトウェアを買収し、PLMアプリケーションを製品スイートに加えたことで、より広範な業務をカバーできるようになった。これにより、社内の定形業務から、社外を含めた広範な製品開発業務までを、当社のアプリケーションで一気通貫にサポートできるようになる」と説明する。また、製造業以外の業界に向けたソリューションについても、「買収によって、各業界別に製品機能をそろえることにより、ユーザーによりシンプルな統合ソリューションを提供していく」と今後の戦略を述べた。

写真 日本オラクル 製品戦略統括本部 アプリケーションビジネス推進部 シニアディレクター 岡田行秀氏

 同製品の強みについて、同社 製品戦略統括部の岡田行秀氏は、「通常のPLM製品は、部品表管理、CAD連携、ドキュメントやCADデータのビューア、といった機能しか備えていない。Agile PLMはこれらに加え、調達/原価管理、プロジェクト管理、品質管理、環境規制コンプライアンスといった機能コンポーネントを持っている。通常は別々の製品で実現するこれらの機能を統合することにより、製品ライフサイクルの主要プロセスすべてをAgile PLMだけで統合管理できる」と述べた。また、広範なCADシステムと連携可能なことや、各種技術文書のデータフォーマットに対応していることも同製品の強みだという。

 今回のバージョンアップで最も強化された点は、他アプリケーションとの連携機能。同社のSOAプラットフォーム上でERP製品やBI製品と連携させることにより、複数アプリケーションの機能を統合したソリューションを実現する。今夏には、Agile PLMとOracle E-Business Suiteを連携するコンポーネントをリリースする予定。これにより「世界で初めて、PLMとERPの完全な連携が実現する」(岡田氏)という。

 Agile PLM 9.2.2.4の価格は、CAD連携コンポーネントの20ユーザーライセンスで1836万円(税込み)からとなる。同社では今後も、同製品を製造業向けソリューションの中核に据えてビジネスを拡大していくとしている。

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