顧客対応強化で伸びるコールセンター市場2010年度には5680億円規模に拡大

» 2008年09月19日 00時00分 公開
[内野宏信,@IT]

 矢野経済研究所は9月19日、「コールセンター/コンタクトセンター市場に関する調査結果2008」を発表した。2010年度、テレマーケティング市場は5680億円、コンタクトセンター/CRMソリューション市場は5220億円に達する、と予測している。

 テレマーケティング市場規模は2007年度、年金記録問題への対応など“特需”の発生を受けて、前年度比10.5%増の4749億円を記録。2008年以降も堅調な伸びを示しており、コールセンターの利用が突発的に増加した公共をはじめ、金融、通信で需要が高かったという。

 近年、食品偽装事件やリコール問題など、消費者対応が問われる事件が相次いでいる。これを受けて、自社の信頼性向上のために消費者対応窓口を強化する企業が増加しているほか、コアコンピタンスに集中するため、コールセンター業務をアウトソースする企業も増えている。これらを受けて、テレマーケティング市場は2006年度〜2010年度、年間平均成長率(CAGR)は7.2%で推移し、2010年度には5680億円に達する見込みだという。

 一方、2007年度のコンタクトセンター/CRMソリューション市場は、景気が回復基調を保ち、企業の設備投資が堅調であったほか、2000年問題対応の更改時期も重なったことから、前年度比10.4%増の4425億円を記録した。

 2008年度に入ってからは、案件の小規模化など、景況感悪化の影響が表れつつあるが、コンタクトセンターを戦略拠点として重視する企業は増加。加えて、通信網の発達により、電話、Webサイト、電子メールなど顧客接点がマルチチャネル化し、より的確・効率的な顧客対応が求められていることを受け、2006年度〜2010年度は年間平均成長率(CAGR)6.8%で推移し、2010年度には5220億円に達する見通しだという。

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