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» 2008年12月18日 12時00分 公開

進化するCIO像(5):業務改革とシステム革新は“両輪”で進めろ! ──システム化計画編 (1/2)

「システム化計画は慎重、かつスピーディに策定しなければならない」と自覚していても、方針分析やヒアリングでつまずいてしまったり、システム化の優先順位付けに迷ったりと、なかなかうまくいかないものだ。今回は、効果的なシステム化計画の“秘訣(ひけつ)”を伝授する

[碓井誠(フューチャーアーキテクト),@IT]

業務とシステムを同時に改革するための“方法論”

 第3回『CIOは戦略的視座を持て』では、CIOには戦略的視座が重要であり、自社の戦略・方針の整理と、これに基く組織機能と業務機能の定義が、改革を進めるための第一歩であることを説明した。

 続く第4回『CIOと情報システム部が担うべき機能と役割』では、情報システム部門の役割や、パートナーを含めた体制整備のモデルを紹介し、CIOと情報システム部門が自らの革新とソリューション力を高めるために必要な、 情報システム部門の5つの能力(「方針とコンセプト」「ビジネスプロセス、現場重視」「情報技術活用力」「システム構築手法」「パートーシップ」)について言及した。

 今回と次回は、この5つの能力のうち、業務改革とシステム革新のために欠かすことのできない、「システム構築手法」について説明する。

 「システム構築手法」は、以下の図1のように、構築の流れに沿って「システム化計画手法」「システム開発手法」の2つより構成される。私は、「業務改革とシステム革新は両輪で進める必要がある」と常に述べているが、図1はその考えをまとめたものである。

システム構築手法の全体像 図1 システム構築手法の全体像。上段の黄色い帯の部分が、全体的な流れを表している。現状分析から仮説、実施、検証というPDCAサイクルの中で、業務改革とシステム改革を同時に遂行していく(クリックで拡大)

 まず、全体的な流れを説明しよう。左から、方針の整理やあるべき姿のイメージと、現状とのギャップを抽出・整理する「現状分析フェイズ」、続いてシステムの改善・改革イメージと、業務の問題解決提案を検討し、システム化計画書にまとめる「仮説フェイズ」へと続く。さらに「実施フェイズ」で要件定義、設計、開発・テスト、導入を行い、最後は運用段階での評価・効果測定、改善といった「検証フェイズ」へとつながる。

 この流れを進めるうえでの重要なポイントは、ユーザー企業と開発パートナーとの連携である。ユーザー企業側は、情報システム部門や社内の関連部門の代表者を集めた1つのプロジェクトチームを組む。そして各メンバーの役割分担を決める。開発パートナーとも、システム構築プロセス全体においてメインとサブの関係で連携、情報共有し、ともにプロジェクトを進めることが重要である。

 図1の最上部の矢印はその関係を表している。メインの役割が実線、サブの役割が点線である。例えば、方針分析や現状分析のフェイズでは、ユーザー企業側がメインとなり、開発パートナーのリーダーはサブとして参加する。詳細設計や開発のフェイズでは、開発パートナー側がメインとなり、ユーザー企業側はサブとして、きめ細かなレビュー、開発状況や画面の確認などを早目早目に行う。こうすることで手戻りの少ない効果的なシステムを構築することができる。もちろん、最終的な意志決定はユーザー部門が行う。

ユーザー企業、開発パートナーとの密な連携が大切

 では、システム構築手法について、より具体的に解説していこう。まずは「システム化計画手法」の実行フェイズである。

 このフェイズはユーザー部門と情報システム部門でプロジェクトを組み、一体となって推進することが望ましい。相互に業務とシステムの理解を深め、各部門にシステム構築のオーナーシップを形成することができる。これによって、その後の活用効果が決まってくる。

 次に、「システム開発手法」に基づいて、情報システム部門と開発パートナーが設計・開発以降を推進する。ここで大切なのは、ユーザー部門が中心となって「業務改革プロジェクト」を起こし、システム設計・開発の期間と並行して、業務の改革・改善を進めることである。これができると、完成したシステムの導入と運用をスムーズに行え、かつ、大きな成果につなげることができる。

 情報システム部門は、こうした開発と業務改革の期間においてもユーザー部門との相互連携を密にし、業務改革チームに参画して改善・改革のシナリオ作りを支援・推進する役割を果たすべきである。

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