クレオ、「競争を勝ち抜く鍵は、人材戦略にあり」基幹業務パッケージ「ZeeM」シリーズに「人材開発」を追加

» 2009年06月25日 00時00分 公開
[内野宏信,@IT]

 国産ERPベンダのクレオは6月25日、基幹業務パッケージ「ZeeM」シリーズに、人材戦略を支援する「ZeeM 人材開発」を追加すると発表した。ポータルや帳票など、複数のモジュールを持つWebベースのシステム基盤、NTTデータ イントラマートの「intra-mart」をアプリケーションプラットフォームに活用し、組織・個人の目標管理から人事考課、キャリア開発まで、人材戦略にかかわる情報の管理・活用を支援するという。

Webブラウザで全社員が簡単に利用できる

 ZeeMシリーズは、同社が1993年から提供してきた基幹業務パッケージの発展形として、2005年にリリースした製品。「会計」「人事給与」を核としたラインナップを持ち、ZeeMシリーズ以前も合わせると、その導入企業数は1790社に及ぶという。

 今回リリースした「人材開発」は、激化する企業間競争に不況が重なり、厳しい経済状況にあるいま、「企業が勝機をつかむためには、組織と個人が確実・機敏に戦略を実行するためのミッション・マネジメントが鍵になる」(クレオ 代表取締役社長 土屋淳一氏)という考えから開発、大きく4つの機能を提供する。

写真 「intra-mart」をプラットフォームにすえ、4つの機能を提供。他社製の既存システムともESBなどを利用することで、容易かつ低価格で連携可能だという。

 1つ目は、社員の個人情報を参照したり、人事情報を対象としたキーワード検索が行える「標準機能」。2つ目は、組織・個人の目標やその達成に向けた進捗状況を管理する目標管理、目標に対する達成度評価を管理する業績管理、あるべき行動目標に照らした社員の行動評価業務を支援する行動評価──以上3つを備えた「人材評価機能」だ。

 特徴は、Webブラウザで各機能にアクセスするため、人事部や管理層、一般社員まで、特別なスキルがなくてもデータの入力・閲覧が容易に行えるほか、画面の表示内容などを柔軟にカスタマイズできる点にある。

 また、NTTデータ イントラマートの「intra-mart」をアプリケーションプラットフォームに持つため、ワークフロー機能も標準装備している。そのため、例えば「社員個人が自己評価を入力」→「一次評価者に申請」→「二次評価者に提出」といった人事評価プロセスを設定する際も、視覚的に操作できるシンプルなUIを使って、各プロセスを書き込んだ箱を並べていくようにスマートに設定・確認することができる。帳票機能も柔軟性に富んでおり、各企業のニーズや慣習に即したフォーマットで出力できるという。

 クレオ 執行役員の林森太郎氏は、「人事給与、会計のユーザーは人事部、経理部に限られていたが、本製品は全社員が対象となる。組織全体の意思統一に向けた“コミュニケーションの活性化”をメインテーマにすえ、使いやすさ、分かりやすさには特に配慮して開発した」と解説した。

人材配置、社員の考えを可視化

 3つ目は、教育・研修の履歴管理などを行う教育・研修管理、各社員が持つ資格情報を管理する資格管理、各社員の職務経歴を管理するスキル管理──以上3つを備えた「人材育成機能」。そして4つ目が、あらかじめ設定した質問に回答する形で、ブランクスペースにデータを入力してもらうことで、効率よく社員の声を集められる「自己申告機能」だ。

 これらにより、どの社員がどんな教育を受けてきたのか、あるいはどんな職歴を経てきたのか、いつでも正確に把握できるほか、あるプロジェクトを緊急に立ち上げる際なども「適切なスキルセットを持った人材を瞬時に見つけ出すことができる」。自己申告機能についても、「人事部や経営層・管理層が、一般社員の声を聞きやすくなる点で、適切な人材配置、社員のモチベーション向上に大きく寄与する」(クレオ プロダクト事業部 事業部長 肥沼俊充氏)という。

写真    左から林森太郎氏、土屋淳一氏、肥沼俊充氏

 土屋氏は、「変化し続けるビジネス環境に対応するためには高度な戦略が不可欠だが、その実現は人材が支えている。特に、厳しい状況が続いている昨今は、経営層から一般社員まで、全員が目標を共有するとともに、その目標達成に適切な人材配置、人材育成が行えることが重要なポイントとなる。ZeeM 人材開発は、企業のゴールに基づいた人材戦略を強力に支援できるだろう」と力説した。

 価格はライセンス制で、導入条件によって若干変動するが、従業員2000名までの場合で約500万円。6月25日から販売開始、2010年1月に出荷開始予定で、2009年度中に20社、今後3年間で100社への納入を目指すという。

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