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» 2009年11月24日 00時00分 UPDATE

セールスフォース・ドットコム副社長フー氏に聞く:chatterの登場でSharePointやLotus Notesはなくなる?

[大津心,@IT]

 米セールスフォース・ドットコムは11月19日(米国時間)、年次イベント「Dreamforce'09」において、エンタープライズ向けとしては初めてとなるコラボレーションクラウド「salesforce chatter」を発表。この点などについて、同社 マーケティング&アライアンス担当 エグゼクティブ・バイス・プレジデント ジョージ・フー(George Hu)氏に話を聞いた。

フー氏写真 米セールスフォース・ドットコム マーケティング&アライアンス担当 Executive Vice President ジョージ・フー氏

――chatterの利用を期待しているのはどのあたりか?

フー氏 確かに、これまでのsalesforce.comは一部の人しか使用していなかった。CRMであれば、CRM部門。SFAであれば営業部門だけ、といった具合だ。せいぜい全社の20〜60%といった程度だろうか。その点、chatterは初めて全社レベルで利用できる製品なので、非常に期待している。

 従って、chatterをきっかけに新規ユーザーを獲得したいが、現実には既存ユーザーから広まっていくだろう。まずは既存のsalesforce.comユーザーへ公開するので、そこで利用したユーザーが、社内だけでなく、取引先にも勧めていってくれることを期待している。

――chatterの登場によって、企業内コミュニケーションが変化し、eメールがなくなることは考えられないか?

フー氏 結論からいうと、なくなることはないだろう。メインフレームがいまでもなくならないように、一度普及したものが完全になくなることはまずないからだ。ただし、eメールは受け身のコミュニケーションであり、来るのを待つしかないが、Twitterは自分が必要な情報だけをフォローすればいいように、能動的に選ぶことができる。つまり、ほしい情報だけを選べるのだ。これはchatterにも当てはまる。

 実際、当社の社内でのメールのやりとりは確実に減っている。例えば、CEOのベニオフに対してメールで意見はしづらいが、chatterであればしやすい雰囲気がある。

――chatterが企業の内部統制に悪影響を与えると懸念しているCIOはいないか?

フー氏 確かにそのような意見もあるが、実は逆だ。社外サービスであるTwitterやFacebookを使われる方がデータの監視や制御ができない分、危険だ。そう考えれば、社内サービスであるchatterの方が統制しやすいはず。

――TwitterやFacebookと機能的に似ている。彼らへの影響はないのか。彼らのビジネス分野への進出を妨げることになるようにも見える

フー氏 TwitterやFacebookはあくまでコンシューマ向けサービスだ。エンタープライズ向けで必要なセキュリティや信頼性などの方向性で大きな違いがある。また、一番の違いは当社がすでに持っているCRMなどのエンタープライズ向けアプリケーションとの連携があるかないかだ。従って、直接的な影響は与えないだろう。

――chatterが登場したことで影響を受ける製品は?

フー氏 SharePointやLotus Notesといったコラボレーション製品に影響を与え、なくなるかもしれない。これらの製品は、ユーザーが自ら情報を探しにいかなければならないものであり、10〜20年前の考え方や技術をいまだに採用しているからだ。chatterは自分のほしい情報だけをリアルタイムに表示される最新の技術だ。

――chatterは古い体質の企業には馴染まないのではないか

フー氏 確かにsalesforce.comも最初はハイテク企業しか採用されなかった。しかし、われわれは2つの理由で普及が可能だと思っている。

 1つ目は、FacebookやTwitterと同じく教育や訓練がなくても使えるという点だ。Twitterは教育をしなくても使えるのになぜTwitterを使っていない企業が多いのかというと、それは使う理由がないからだ。きちんとした目的があれば、非常に便利なので使ってもらえるはずだ。

 2つ目は、未来の技術を提供することに意味があると考えているからだ。確かに、新しい技術を使いこなせない層が企業内にいることは否めないが、若い世代はFacebookやTwitterに慣れ親しんでいるので、そのような世代が使える技術を提供していくことに意味があると考えている。

――chatterは口コミでも広がるだろうが、特別なマーケティング戦略は考えているのか

フー氏 基本的には毎月世界各地で行っているイベントで告知を行っていく。今回のDreamforceで行ったようなデモを展開すればかなり伝わるはずだ。また、新規顧客を対象に、chatterの良さを理解してもらうため、無償提供するといった施策も検討中だ。



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