ミッションクリティカル・コア(みっしょんくりてぃかる・こあ)情報システム用語事典

mission-critical core

» 2009年12月01日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 競合他社に対して明らかな差別要素となり、収益や成長性の面でも重要で最も注力すべき企業活動のこと。コア/コンテキスト分析の用語で、コア業務のうち、ミッションクリティカルな特性を持つものをいう。

 米国のコンサルタント ジェフリー・ムーア(Geoffrey A. Moore)のコア/コンテキスト分析モデルの第2段階で、イノベーションが見込みのあるものとして認識され、競合他社に対する差別要素として最大限に生かせると期待できる時期である。

 新規に市場が立ち上がり、成長が始まるとともに、競合企業が参入してきてマーケットシェアをめぐる争いが始まる。ここでは自社のイノベーションを最大限に利用してマーケットリーダーの地位を獲得することが目標となる。いわばリスクを取って投資を行う時期であり、企業経営者はこの段階に達した事業・市場に最も優れた人材を投入し、必要な資金を提供することになる。

 ミッションクリティカル・コアは重要かつ差別化すべき業務なので、この部分を他社(パートナー企業)に任せるわけにはいかない。ここを支えるITシステムは自社で要件定義を行い、その実行環境もオンプレミスないしプライベートクラウドの形で自社保有(管理)する形がよいとされる。

参考文献

▼『ライフサイクルイノベーション――成熟市場+コモディティ化に効く14のイノベーション』 ジェフリー・ムーア=著/栗原潔=訳/翔泳社/2006年5月(『Dealing with Darwin: How Great Companies Innovate at Every Phase of Their Evolution』の邦訳)

▼『クラウドの衝撃――IT史上最大の創造的破壊が始まった』 野村総合研究所 城田真琴=著/東洋経済新報社/2009年2月


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