QCサークル(きゅーしーさーくる)情報システム用語事典

QC circle

» 2010年01月07日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 生産現場などの職場で同じ仕事をする作業者が組織したQC活動を行う小集団のこと。一般に10名程度の小規模な非公式組織である。

 QCサークルは品質管理や改善活動は上意下達ではなく、作業者が主体的に取り組む活動であるべきという発想の下、東京大学名誉教授・武蔵工業大学(現東京都市大学)学長だった石川馨が1962年に提唱した。QCサークルのメンバーは、自らが考え、工夫し、判断して行動し、その結果を受けてさらなる改善を行うというサイクル(PDCAサイクル)を担う主体であり、企業組織の管理者(マネージャ)はQCサークル活動に理解を示して支援するという枠組みが想定されている。この活動をグループで行うことで現場の意見を吸い上げ、同時に技能の継承を図る。

 1962年にはQCサークル本部が設立され、QCサークル活動の推進・普及を図っている。1963年からはQCサークル全国大会を、1971年からは全日本選抜QCサークル大会が開催され、QCサークル活動の発表や表彰を行っている。当初は製造現場を中心に広がったQCサークル活動はサービス業などでも導入され、また“日本型経営”の特徴の1つとして国外でも評価されるようになった。ただし近年では、QCサークル活動の衰退もささやかれている。

 QCサークル活動は長らく勤務時間外の活動だとして、残業代支払いの対象とされることが少なかったが、2000年代には入ってQCサークル活動を業務と認定する判例・命令が相次いだこともあり、残業代を支給する例が増えている。

参考文献

▼『QCサークルの基本――QCサークル綱領』 QCサークル本部=編/日本科学技術連盟/1996年5月(『QCサークル綱領』(1990年)の改訂新版』)

▼『新版 QCサークル活動運営の基本』 QCサークル本部=編/日本科学技術連盟/1997年7月(『QCサークル綱領』(1990年)の改訂新版』)

▼『新・日本の経営』 ジェームス・C・アベグレン=著/山岡洋一=訳/日本経済新聞社/2004年12月(『21st-Century Japanese Management: New Systems, Lasting Values』の邦訳)


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