面倒な事務作業もSharePointで効率化できるSharePoint徹底活用カタログ(2)(1/2 ページ)

各種申請の承認作業や差し戻し、勤怠票のチェックなどは、ついつい後回しにしたくなるものだが、SharePointを使えば面倒な各種事務手続きを、作業方法を大幅に変えることなく効率化できる。

» 2010年08月05日 12時00分 公開

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 米国ではSharePointが普及し、活用事例も豊富にあるのに対し、日本での導入・活用事例数はいまひとつ伸び悩んでいる。これは導入事例がまだ少ないほか、多くの企業が活用パターンを具体的にイメージできていないためなのではないか。

 そうした考えから、「SharePointとは何か?」「どんなことができるのか」を紹介していこうと開始した本連載だが、第1回ではSharePointの最も基本的な活用例の1つとして、「ファイルサーバ機能」と「ファイルコンバータ機能」を使って、Microsoft Office Excel(以下、Excel)をWebブラウザ越しに使う方法を紹介した。

 今回は、あらかじめ設定した人/組織に対して承認作業を発生させたり、承認/未承認といったステータスの一元管理などが行える「ワークフロー機能」を紹介しよう。

簡単な設定でワークフローを自動化できる

 ワークフローを簡単に実現できるのは、SharePointの大きな特徴の1つだ。SharePointには、あらかじめ「申請?承認」「フィードバック情報の収集」「3段階の状態管理」といったワークフローの「テンプレート」が何種類か用意されている。しかも、『サイトAにファイルが登録されたら、テンプレートAに従ってワークフローが開始される」といったように、慣れるとものの3分もあればできるようなシンプルな設定作業で、手軽にワークフローを定義することができる。

 そうして1度設定しておけば、例えば以下のようなイメージで、「承認」のワークフローが使用可能となる(「サイト」という概念が登場するが、それについては後述するので、まずはイメージをつかんでほしい)。

  1. あるサイトにファイルを保存する(もしくは、「ファイルを選択」したうえで、そのファイルに適用したいワークフローを、テンプレートの中から選択、指定する)
  2. あらかじめ登録された承認者に対して、承認を求めるワークフローが自動的に開始される(電子メールが送信される)
  3. 承認者はメールを受信後、本文をクリックしてSharePointにアクセスする
  4. 承認を求められているファイルが表示される
  5. 承認者は内容を確認後、コメントを記入して承認/却下ボタンを押す

 大まかな活用イメージはこれでつかめただろうか。ただ、前回で少し触れたとおり、実際の業務はこのように単純なワークフローでは遂行できないことが多い。SharePointは、「上長が指示・命令を出し、部下がそれを遂行して、結果の承認を求める」ことが当たり前である“米国の企業文化”なら、そのまま活用できるシーンが多いのだが、「部下が立案し、さまざまな利害関係者への調整のため稟議書を回し、調整が終わったら最後に上長が決断する」といった日本的な意思決定プロセスでは、発想そのものが米国企業とは逆になるため、SharePointもそのままでは適用できないことが多いのだ。

 従って、冒頭で「SharePointで簡単にワークフローが実現できる」と述べたが、これは「日常業務のワークフローを、SharePointに簡単に置き換えられる」という意味ではない。

 よって、SharePointの機能を有効に生かすためには、こうした日本企業独特の事情を考慮し、「一部の対応可能な業務から、少しずつ対象範囲を広げていく」発想が求められる。そこで以下では、単純なワークフローにちょっとした工夫をすることで、すぐに使えるワークフローの活用パターンを紹介しておこう()。


注:本連載は「何ができるのか」「どう使えるのか」を紹介することが目的であり、具体的な「操作手順」を説くことが目的ではない。よって、以下では「こんな使い方ができる」ということを説明するために、その操作手順についても簡単に触れているが、より詳細な操作手順については「SharePoint ServerのヘルプとHow-to」(マイクロソフト)などの資料を参考にしてほしい


活用例A:任意のExcelファイルの内容を、承認者に承認してもらう

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