データ仮想化で分析の幅が広がったBI〜Informatica 9データアナリストとIT部門の容易な連携を実現

» 2010年10月13日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 インフォマティカ・ジャパンは10月13日、BIプラットフォーム「Informatica Release 9」(以下、Informatica 9)の国内販売を11月中旬に行うと発表した。米インフォマティカ 最高マーケティング責任者(CMO)のクリス・ブアマン(Chris Boorman)氏は、「データの重要性が日に日に増加しているにもかかわらず、データが急増し、ドキュメントの中に埋もれていってしまっている。これにより、最適なデータを必要な時に取り出せずに得られるはずの利益を失っているケースが多い。Informatica 9では、初めてデータ仮想化技術を採用し、BIの幅を大きく広げることができた」とコメントした。

ブアマン氏写真 米インフォマティカ 最高マーケティング責任者(CMO)のクリス・ブアマン氏

 インフォマティカは、データ分析などを行うデータ統合プラットフォーム製品群。ETL(Extract, Transform and Load)を実現する「Informatica PowerCenter」や、さまざまなシステムへのデータアクセス環境を提供する「Informatica PowerExchange」、データ分析やクレンジングを行ってデータの品質を維持する「Informatica Data Quality」などが中心製品だ。ブアマン氏によると、現在世界で4000社が導入。2009年の売上高は5億ドルで、過去5年間年率20%の成長率を実現し好調を維持している企業だ。

 ブアマン氏は、「企業のデータの重要性が増し、“データこそが企業の重要な資産”といえる状況になってきた。しかし、企業内にデータが溢れているため、信頼できる最適なデータを見つけるのは難しい。良いデータを基に良い意思決定を行う『データ駆動型企業』へのニーズは強いものの、なかなか実現するのは難しい状況だ」と説明。信頼できるデータをタイムリーに提供する重要性を訴えた。

 Informatica 9の最大の特徴は、データ仮想化技術を採用した点だ。Informatica 9では、新製品として複数のシステムが持っているデータを1つのデータセットとして利用できるサービス「Informatica Data Services」を追加。Informatica Data Servicesを利用することで、マルチドメインに存在しているデータをあたかも1つのデータであるかのように利用することが可能となる。これにより、ERPやCRM、クラウド上など複数のデータソースに分散したデータや、東京や大阪など物理的に離れたデータソースであっても、同一データオブジェクトのように検索や統合、管理が可能になるという。

デモ画面写真 Informatica Data Servicesで仮想データを統合するデモ画面。直観的に仮想データの統合やマッピングができる

 インフォマティカが行ったデモでは、東京と大阪の顧客データベースに対してクレンジングやマッピングを行い、名寄せや項目の統一化を図ったうえで、仮想データベース上で統合。同一のデータベースとして比較・分析を行った。また、データアナリストと開発者がそれぞれ利用するツールのデータ連携を強化した。

 インフォマティカ・ジャパン セールスコンサルティング部 ソリューションアーキテクト 並木正之氏は、「仮想ビューによる仮想データ連携は、物理的なデータ統合に比べて他システムへの影響が少ないほか、コストも断然安い。普段よく利用するアナリストと開発者の連携を強化したことで、仮想化の最大のメリットである“気軽さ”を失うことなく仮想データモデルを作ることができる。Excelのマクロのようなこともできる点も特徴だ」と説明した。

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