PFU、帳票の印刷と認識を一体化した紙文書電子化ソフトスキャナと連動し、人力部分のリソースを大幅削減

» 2010年10月18日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 PFUは10月18日、企業に多く残っている紙文書の電子化をサポートする紙文書電子化ソフトウェア「ScanConnect」の発売を開始した。同製品は、同社の紙文書電子化ソフトウェアサービス「PaperStream」の第一弾としてリリースされたもの。

 日本版SOX法の施行によって大きくニーズが高まった紙文書電子化市場。その後、リーマンショックが起きたことで、「業務効率化」や「コスト削減」を狙った紙文書電子化のニーズが高まっているという。PFUでは、業務用イメージスキャナの世界シェア1位の優位性を活用し、ECM(Enterprise Content Management)ソリューションに注力。国内でも数多くの導入実績を誇るという。

 紙文書の電子化運用では、紙の仕分け作業やキーワード入力、入力後の確認作業などに人による手間が介在しており、それがコストアップの要因となっていた。また、従来はこの手間をシステム化するために、業務システムとの連携のための作り込みが必要となっていた。

 新製品のScanConnectは、従来人が行っていた「紙の事前仕分け」や「帳票識別」「キーワード入力/確認」などの作業をシステム化するためのツール。高精度の帳票識別や、識別状態絞り込み機能を提供することで、これを実現した。

 帳票識別では、識別に影響をおよぼす「罫線やフォント」の状況を事前にOCRすることでチェック。「細すぎて読みとれない」「数字がはみ出している」、などOCRが認識ミスをしそうな部分をあらかじめチェック・修正できる。また、実際のOCR結果を分析し、OCR識別できなかった帳票だけをピックアップすることが可能に。PFU イメージビジネスグループ 販売推進部 担当課長 池田明浩氏は「この失敗帳票だけを絞り込める機能は大きい。これにより、確認者は失敗した帳票だけを確認すればよく、確認時間を大幅に削減できるようになるはずだ」とコメントした。

 ScanConnectは印字帳票のサポートが基本だが、同社の手書き帳票OCRソフトウェア「DynaEye EX」と連携することで、手書き帳票のサポートも可能になるという。

 池田氏は、「当社の新しいソリューションである『PaperStream』によって、紙帳票の“入れる・ためる・活用する”の三段活用が可能となる。ScanConnectはその第1弾だ。スキャナで紙文書を入れ、その後ScanConnectが電子化をサポートし、システムへデータ出力する。これにより紙文書の電子化をトータルにサポートできるようになるはずだ。また、クラウド対応として、名刺の電子化サービスをSalesforce CRMで保存できるサービスを開始する。今後、さらに対応サービスを増やしていく予定だ」と語り、今後の方向性を説明した。

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